サーバサイドアプリケーションを開発する現場において、開発用、テスト用、デモ用など様々な用途で多くのアプリケーション実行環境を用意する必要があります。またこうした開発現場を複数持った大規模な組織では、これらを効果的かつ効率的に提供するために Private Cloud 環境を構築したい要求が生まれます。
本セッションでは、最近注目されている IaaS クラウド基盤のミドルウェア OpenStack を活用し、Private Cloud 基盤を構築・運用しているグリーの開発環境基盤の事例についてご紹介させて頂きます。
具体的には、どういった背景でどのように構築し、どのくらいの運用規模で、実際にどのような事をやってきて、どのような学びがあったかについてお話しさせていただきと思います。
また OpenStack について知識がない方でも、本セッションの中身についてわかっていただけるように心がけた内容に致します。
講演者プロフィール
大山裕泰
(略歴)
2013年3月 筑波大学大学院 システム情報工学研究科 修了
2013年4月 グリー株式会社 入社
(プロジェクト)
2008年9月 未踏IT人材発掘・育成事業本体「グリーン OS Onix OS の開発」(スーパークリエータ獲得)
(執筆した書籍)
2013年5月 次世代ネットワーク制御技術 OpenFlow入門, 石井秀治,大山裕泰,河合栄治, ASCII
(過去の講演)
2014年1月 JANOG33 Meeting「ゴチャゴチャネットワークの可視化・OAM ~みんなどうやってるの?~」
2014年7月 JANOG34 Meeting「DCネットワークの新時代? ―ホワイトボックススイッチの利用可否―」
《講演者からのメッセージ》
OpenStack は柔軟でスケーラブルな IaaS クラウド環境を構築する OSS (Open Source Software) として注目されています。
国内において OpenStack はユーザコミュニティ (*1) による活発な活動や、国内最大手のポータルサイトを運営する会社や、国内大手の EC 事業会社などがプライベートクラウドに OpenStack を利用していることを背景に急速に関心が高まってきました。
しかし(規模の大小に関わらず)実際に OpenStack を利用してインフラを運用しているという人はそれほど多くはないという印象です。Web アプリケーション開発ほど手軽にできるものでもないということもありますが、まだまだこれからなものという認識を持った方や、そもそも OpenStack をよく知らないという方が多くいらっしゃるからかもしれません。
このセッションでは、単純な事例紹介や OpenStack とはどんなものかという基本的な内容に留まらず、何がどんな仕組みで動いているかといった技術的に踏み込んだ内容や、運用する上でどんな点に注意した方がよいかや、どんなハマりどころがあるかという運用のヒントを提供できればと思っています。