昨年に引き続き、剛体シミュレーションのGPU最適化の実例を通して、GPUを効果的に活用するための手法を紹介します。前回は主にGPUを活用した衝突検出関連のアルゴリズムについて解説しましたが、今年は物理シミュレーションにおける最も重要な処理ステージである「拘束ソルバー」をGPU上で効率的に動作させる手法について紹介します。
講演者プロフィール
松生 裕史
主に、内製物理シミュレーションライブラリの開発とゲーム制作のサポート業務に従事しています。過去、CEDECでは2009年に「ゲーム物理の扱い方」、2013年は「コリジョン抜けを防ぐための衝突検出テクニック」、2014年は「PlayStation®4のGPGPUを活用した剛体シミュレーション最適化事例」の講演を担当しました。書籍は「Game Physics Pearls」(A K Peters Ltd.)の第3章、「ゲーム制作者のための物理シミュレーション 剛体編」(インプレスジャパン)の執筆を担当しました。
《講演者からのメッセージ》
今回は昨年に引き続き、剛体シミュレーションの拘束ソルバーのGPU化について講演します。ソルバーはなかなか手強いテーマですが、数式等は最小限にとどめ、なるべく視覚的に理解できるように解説します。剛体の拘束については過去のCEDECでも何度か解説されていますので、参照していただければ、今回の内容がより理解しやすくなると思います。
吉田 弘一
2003年 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント入社。
内製ライブラリの設計・実装・サポート全般に携わったのち、現在は GPU に近い低レベルレイヤ寄りの研究開発に従事しています。
《講演者からのメッセージ》
パーティクルベースの物理シミュレーションを実際に GPU 上にインプリメントする過程で得られた TIPS をいくつかピックアップしてご紹介いたします。