近年の技術進歩や新規技術の導入などにより、ゲームや体験システムなどのコンピュータエンタテイメントは、その量だけでなく質も大幅に変わりつつあります。しかしながら、開発や実施の現場では、ユーザの行動や体験をどのように評価するか、どのような体験がユーザに次の行動に導くのかなどに関して、まだ不明なことが多くあります。本セッションでは、関連する認知科学・心理学の知見を紹介し、現場での一助となることを目指します。
講演者プロフィール
渡邊克巳
1995年 東京大学文学部心理学科卒業
1997年 東京大学大学院総合文化研究科認知行動科学専攻修士課程修了[学術修士]
2001年 カリフォルニア工科大学(Caltech)計算科学-神経システム専攻博士課程修了[Ph.D]
2001年 日本学術振興会特別研究員(順天堂大学医学部第一生理学講座)
2002年 National Eye Institute, National Institutes of Health
2003年 産業技術総合研究所人間福祉医工学研究部門 研究員
2006年 東京大学先端科学技術研究センター認知科学分野 准教授
2015年〜 早稲田大学理工学術院基幹理工学部表現工学科 教授
2015年〜 東京大学先端科学技術研究センター 客員准教授
主要研究テーマは、ヒトのこころの顕在的・潜在的過程の科学的解明、認知科学の境界領域への拡張、実社会への還元。
《講演者からのメッセージ》
現場でのユーザの行動や体験に関しては、ノウハウとしての個別の知識はあるものの、科学としての知見としてはあまり共有されていません。本セッションでは、開発者や実施者は研究者でもあるべきという観点から、認知科学・心理学の知見の重要さをお伝えできればと考えています。