このセッションではFINAL FANTASY XV –EPISODE DUSCAE– (FFXV体験版) のアニメーションシステム Luminous Animation の技術について、エンジニアが詳説します。
FFXV体験版では「接地感」をテーマに、登場するモンスターやキャラクターたちが周りの環境や地形に適応し、動作を変化させることを重要な技術課題としました。このようなアニメーションを実現するために、膨大なモーションクリップを効率良くキャラクターに組み込むためのアニメータのワークフローや、開発したツールについて説明します。
また、FFXV体験版に登場するモンスターやキャラクターに使用された、足や尻尾のIK・ヒットリアクションなどのプロシージャル技術の実装についても詳説します。これらのプロシージャルなアニメーション表現を実現するためにアニメータとエンジニアが協業し、各種のキャラクターに組み込む際に遭遇した課題とその解決方法などについても同時に焦点をあてます。
講演者プロフィール
今村 紀之
2010年東京大学大学院修士過程修了、同年株式会社スクウェア・エニックス入社。
社内ゲームエンジンLuminous Studioの開発に携わる。
現在、FINAL FANTASY XV開発チームでアニメーション関連のプログラム実装を担当。
《講演者からのメッセージ》
内製で開発しているアニメーション・エンジンについて、主にツール開発の視点から得られた知見についてお話します。
モーションブレンドやIK、ラグドールなどがコモディティ化した今、ワークフロー構築の重要性が増してきました。既存のミドルウェアを使った開発においても、なんらか参考になるようなお話ができればと思います。
川地 克明
2011年より社内ゲームエンジン Luminous Studio の開発に従事。プロシージャルなキャラクタアニメーション生成に関する研究・開発を担当。
《講演者からのメッセージ》
大型のモンスターや主人公たちの、ゲームプレイ中のアニメーションについてお話します。狭い洞窟の中から広大な湿地まで、プレイヤーが体験するバトルでのアニメーション表現の説得力を高めるために、IKやヒットリアクションなどのプロシージャル表現モジュールがそれぞれどのような目的で開発されたのかについて紹介します。また、モンスターと主人公たちが密に接触する表現や、主人公と仲間のやりとりを自然に感じさせるためのアニメーション表現のためのモジュールの開発や、モジュール実装における数学的バックグラウンドについても解説を行います。