映画やゲームにおいて,CGキャラクタの眼球運動とそれに伴う頭部運動はキャラクタの表現をより豊かにするために重要な要素です.そこで本セッションでは,キャラクタの頭部および眼球運動を自動合成する手法をご紹介します.従来手法では,頭と目の回転速度は注視点の位置のみによって決定されていましたが,本手法では,「注視点の位置」に加えて,目と頭の動きに大きく関わる「注視時間」を考慮して,自動的に目と頭の動きを制御します.リアルな表現を可能とするため,実際に注視点の位置と注視時間を変更した際の頭部および眼球運動を実測し,モデル式を構築しました.構築された運動モデル式をアニメーションに適用することで,注視点が同じであっても注視時間に応じて,様々な頭部と眼球運動を自動生成することが可能となります.
講演者プロフィール
鍵山 裕貴
早稲田大学 先進理工学研究科 森島研究室 修士1年
専門:キャラクタアニメーション
SIGGRAPH 2015 Poser "Automatic Synthesis of Eye and Head Animation According to Duration and Point of Gaze" 発表予定
《講演者からのメッセージ》
最近,徐々に盛り上がりを見せているゲームキャラクタの”目と頭の動きに関する研究です.是非ともお越しください.
森島繁生
1987年、東大大学院電子工学専攻修了(工学博士)。成蹊大学工学部専任講師、助教授、教授を経て、2004年より早稲田大学先進理工学研究科物理学及応用物理学専攻教授。顔画像処理、コンピュータビジョン・グラフィックス、特にリアルタイムレンダリング、3次元形状復元・モデリング、ノンフォトリアリスティックモデリング・レンダリング、モーション自動合成などの研究に従事。
《講演者からのメッセージ》
本年度CEDECでは、森島研究室から2件の発表を行います。1つは、ショートセッションでBG Maker ~アニメ背景画生成システムの提案とゲーム応用の可能性~と題して、またインタラクティブセッションで、注視時間と注視位置が変化する際のキャラクタの頭部及び眼球運動の自動合成の発表を行います。また、レギュラーセッションでは、本年神戸で開催されるSIGGRAPH ASIA 2015の魅力について語ります。
加藤 卓哉
早稲田大学 先進理工学研究科 物理学及応用物理学専攻 2年生.
実体情報学博士プログラムコース 「WILL」メンバー.
専門:3DCGキャラクターアニメーション,3DCGモデリング,手描きの絵画の質感分析・転写技術,センサー技術
CEDEC2014にて,「Character Transfer:キャラクタ固有の表情特徴を考慮した顔アニメーション生成手法」を発表.
SIGGRAPH ASIA 2015@Kobeにて,Student Volunteer Sub-Committeeを務める.
《講演者からのメッセージ》
ゲーム業界でも注目度の高い,目や頭部の動作の自動合成に関する発表です.
実用的なシステム構築を目指している研究ですので,参加者皆様からの様々なご意見をいただければ幸いです.