日本のゲームミュージックはメロディや情感を重視した、ユーザーに深い感動を喚起させる素晴らしい音楽が多いです。これは世界中のゲームミュージックを相手に、今でも勝っていることだと思います。
しかしながら、音楽の演出については、海外のゲームはまるで映画のカット/シーンに細かく音楽を付けていくように、ゲームプレイ対して音楽が表情豊かに付いているものが多いのに対して、日本のゲームは少し物足りなく感じることが多いです。ゲームはプレイヤーの行動によって様々な状況が不定期に発生します。そのさまざまな状況やプレイヤーの気持ちに丁寧に寄り沿った、適切な音楽演出を設定することで、ユーザーをゲームミュージックとともに、もっとゲームに没頭させることができるはずです。
このセッションではゲームの音楽演出をどうすればもっと強化できるか。また、それを実装する具体的な方法について、私が昨年から開発を行っているタイトル「Happy Wars」(XboxOne/Xbox360)と、サウンドミドルウェアのWwiseを例に取って具体的に説明します。
講演者プロフィール
西 隆宏
株式会社トイロジック
サウンドディレクター/サウンドデザイナー/コンポーザー
1994年からゲームアーツ、トイロジックなどのデベロッパーにて楽曲制作や効果音制作、サウンドディレクションに携わる。代表作はグランディアシリーズ、大乱闘スマッシュブラザーズX、新・光神話 パルテナの鏡、など。
Twitter: @nishiga
Facebook: takahiro.nishi3
《講演者からのメッセージ》
いい音楽でも、ゲームと合ってない場面で使うと台無しです。
いいメロディも、繰り返し聞かされると耳が飽きてきます。
いいサウンドも、効果音にかき消されては迫力が無くなります。
ミドルウェアの導入によって、サウンドデザイナーはプログラマーに作業負荷をかけずに、複雑なサウンド演出が簡単にできるようになりました。ただ音楽を鳴らすだけではなくて、ゲームのさまざまな状況に合わせてインタラクティブに音楽が変化するように演出すると、こんなにもHappyなゲームになるよ!ということを実例を交えてお話したいと思います。