近年の物理ベースレンダリング(Physically-Based Rendering,
PBR)の隆盛を受け、シリコンスタジオでは最新のPBR関連の様々な技術を採用したテクノロジーデモを開発、GDC2014にてブース展示し、その後動画を一部公開しました(http://www.siliconstudio.co.jp/nex-gen/)。
本セッションでは、主にそのデモにおけるレンダリング技術の詳細を解説します。
含まれるトピックとしてBRDF、Image-Based
Lightingやそのブレンディング、Local-Reflection、エリアライト、Specularアンチエイリアシング、カメラシミュレーションとポストエフェクトなどです。
これらのトピックの多くはGDCやSiggraphなどのセッションで触れられたものではありますが、描画エンジンとして実用化するためにはさまざまな課題もあります。
実際にデモを製作するにあたって得られた知見は少なからずありますので、それらも含めて共有したいと考えています。
また主眼はデモの技術解説ですが、デモで採用した技術を足掛かりとしたPBR界隈の俯瞰および入門といった側面も持ったセッションになるかと思います。
講演者プロフィール
安田廉
2010年東京大学大学院修士過程終了、同年シリコンスタジオ入社。学生時代は物理シミュレーションやGPGPUの研究を行い、入社後はグラフィックス関連の開発業務に従事。CEDECにおいては「コンピュータ・グラフィクス関連の最新論文紹介」というセッションにおいて、2011年にはShape Matching、2012年にはModular Radiance Transferの解説を行った。
田村尚希
1980年愛知県生まれ。東京大学大学院修士課程修了。建築家を志し上京したものの、気づいてみればCG・ゲーム業界にどっぷり浸かっている今日この頃。2007年4月より(株)シリコンスタジオに在籍。トップレンダリストを目指して日々勉強の毎日。最近は自転車にハマっています。
《講師からのメッセージ》
川瀬正樹
プログラマブル・シェーダ黎明期におけるグラフィクスエンジン開発にて、さまざまな基礎技術を考案。近年はシリコンスタジオ株式会社にてYEBISをはじめとするミドルウェア研究開発に従事。CEDEC/GDCなど技術講演多数。CEDEC AWARD 2009 プログラミング・開発環境部門ノミネート。