(1)任意の曲からダンスシーケンスを自動生成するためには、「音楽の盛り上がり」を定量的に扱うアプローチが不可欠。音圧競争の影響を強くうけている音楽と、そうでない音楽とでは、VUと周波数領域の情報の寄与率が異なるので、波形を見て自動的にブレンド率を変更するアルゴリズムを開発した。
(2)ゲームだから、ヒト型のキャラクターばかりでなく、「ぷよ」のような非ヒト型のキャラクターが踊っても面白い。ダンスパターン数や、キャラクターの形状に依存しない自動生成アルゴリズムを開発した。
(3)以上の開発により、世界初の「自分の好きな曲に合わせて楽しめるダンスゲーム」を実現した。
講演者プロフィール
増野 宏之
・広島大学理学研究科・構造化学研究室・化学専攻修了
・コトブキシステム株式会社勤務(大学時代のアルバイト2年を含む)(1986-1998)
・コンパイル株式会社勤務(1998-2001)
・ICA株式会社を設立し独立、2年間で世間の厳しさを知る(2001-2003)
・株式会社ズーム勤務(2004-2005)
・ソニックブルー株式会社(のちに社名をサイクロンゼロ株式会社に変更)勤務(2006-2009)
・アークシステムワークス株式会社勤務(2009-現在)
・CEDEC2011にて、独自のリアルタイムBPM解析法に関して講演。
題目[今夜はHow to Beat It. −リアルタイムBPM解析手法とさらにすすんだオーディオ信号処理−]
四半世紀にわたり、常に現場作業側で、何かしら仕事をしております。
作曲+音楽+英語が分かるプログラマーとして、日々勉強の毎日です。
《講師からのメッセージ》
CEDEC2011に引き続き、外部音楽を利用した、音楽ゲームの要素の自動生成手法に関して説明させていただけることを、大変光栄に思っております。
「外部音楽を利用したBPM解析や、ダンスゲームの自動生成」というのは、非常にニッチな分野ですが、
「ユーザーの音楽を利用した音ゲーが楽しめる」という大変魅力的なコンテンツを制作する上での、「イロハのイ」になることだと思っております。
私のような40代後半の業界人の使命として、自分のもつゲームならではの技術を、分かりやすくお伝えし、後進への礎となることが、大切だと思っております。
大変つたない講演とはなりますが、精一杯がんばりますので、是非一度お聴きいただければ幸いです。