現在のアーケードゲームの60%はクレーン機やメダル機が占めています。これらゲーム機では、各種センサーが活躍し、LEDが点滅し、モーターが動き、メ カが動き回り、制御のためのワンチップマイコンが搭載されて、その開発には組み込みエンジニアが不可欠です。一方広い領域をカバーするこの種のエンジニア は短期間での養成は難しいとされています。当セッションでは、80年代初期からエンジニアの育成を手掛けてきた経験と、社内での実践概要、その効果、そし て現在必要とされる組み込みスキルについて、アーケードゲーム技術の変遷をたどりながら紹介します。
講演者プロフィール
三部 幸治
略歴:80年代ゲームセンター向けゲーム開発技術者およびマネージャーとして活動。1992年に世 界で最初の「通信カラオケシステム」を考案・事業化、1999年携帯電話コンテンツ事業部門を創設、2007年研究部門創設を経て2012年技術顧問。 (元)株式会社タイトー常務取締役・CTO
最近の講演例:「マスフォーインダストリー」(九州大学)でエンタメ技術の進化について(2010)、東京工業大学でエンタメ技術について(2009)、iCEC2009(フランス)でエンタメ技術のマネージメントについて(2009) など
日本技術士会会員、ヒューマンインターフェース学会員
《講師からのメッセージ》
パソコンが普及する前の1970年代、当時のエレクトロニクス技術者はICを買い集め、たくさんの 電気スイッチを並べ、テレビを改造した表示装置を使って独自のマイコン開発環境を作っていました。そこで生み出された独特な商品のひとつがビデオゲームで す。ビデオゲームは「組み込み技術者」が生み出したものなのです。
独創的な商品開発には、領域にとらわれない活動が重要です。自分でハードもソフトもセンサーも全て好きな様に操る「組み込み技術者」を育て、日本の産業を元気にしましょう。