触錯現象を利用した,ポータブルゲームのための空間的触提示

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日時:
2010年08月31日(火)〜2010年09月02日(木)
形式: ポスター発表
受講スキル:
以下のような皆様と,是非ディスカッションさせていただきたいと考えています. ・ゲームコントローラや振動フィードバック機能の設計にご関心をお持ちの方. ・視覚以外のモダリティを用いた新しいゲーム体験を模索されておられる方. ・ステレオ視技術やAR技術と連動した触覚フィードバック技術にご興味,ご関心をお持ちの方.
受講者が得られるであろう知見:
ゲームの臨場感補助のための触覚的フィードバック手法についての知見となります.錯覚現象を利用して,ポータブルゲームの利用文脈に即したて簡便な装置で行うための手法を紹介します.
セッションの内容

ポータブルゲーム機では据置き型のゲーム機に比べて,没入感表現能力に乏しくなりがちである.没入感とは「自らがそのバーチャルワールドの中にいる感覚」のことを指し,自分と対象との距離感が適切であるとき実現されると言われているが,ポータブル機は画面サイズが小さく「実世界見たまま」に近い寸法でオブジェクトの表示を行うことで視覚的に適切な距離感を表現できない.

本セッションではこの問題に対して触錯からのアプローチ手法を紹介し,体験型のデモンストレーションを行う.

我々の提案する手法では,ゲーム機のディスプレイからオブジェクトが飛び出して身体に衝突するような没入感補助のための触覚表現を非常に簡便な装置で可能とする.

システムのために,中心的に利用する錯触はファントムセンセーションと呼ばれており,2点以上の触覚刺激を同期して提示することで実際に刺激がなされた位置を空間的に超越した触知覚が生成される現象である.
従来型の臨場感補助のための触覚ディスプレイは,体全体を拘束するような大掛かりなものが多く,普及は困難とされてきたが,この現象を知覚させるための装置は十分に小型化ができるものであり,ポータブルゲームの利用シーンに即した普及も期待できる.
さらに我々はより高度でバリエーションに富んだ安定した触覚感の生成のため,ファントムセンセーションの生理学的な知覚特性についても広く検証を行った,その成果についても簡単に紹介を行う.


講演資料

  • C10_P0271.pdf

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講演者プロフィール

加藤 寛士

加藤 寛士
所属 : 電気通信大学大学院
役職 : 人間コミュニケーション学 専攻 梶本研究室 修士課程 2年

電気通信大学大学院にて錯触現象に関わる研究に従事.国内及び海外学会での学術系成果発表で評価を受ける.近年は錯覚現象を利用し,簡便な取り付けで広範囲にインタラクティブな触覚現象を提示するアプリケーションの作成に取り組む.