バーチャルアクターの思考・演技間の連携強化について

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日時:
2010年08月31日(火)〜2010年09月02日(木)
形式: ポスター発表
受講スキル:
キャラクターモーションの実践的・技術的知識、およびスクリプト等でのプログラミング経験。(必須) リグやNPC用AI構築経験、手付モーション作成経験、脚本→モーション自動生成技術の知識。(良)
受講者が得られるであろう知見:
既存のCGキャラクター自動化技術に対する知識体系の整理。 人工知能とモーションデータの両方を扱うDSLの可能性。
セッションの内容

弊社は「ReTeMo」というバーチャル・アクター用DSL(領域制限言語)を開発中です。一種のプログラミング言語ですが、AI用と言うより「プログラミングとキーフレーム補間アニメーションの融合」に力点を置いています。従来技術で言えばプロシージャ・アニメーションやモーショングラフと領域的に被ります。

今日のCGアニメーションの多くはキーフレーム補間アニメーションであり、モーショングラフもその系統にあります。一方、 TVML(http://www.nhk.or.jp/strl/tvml/)やDMD(http://www.movie-school.org/)、 Alice(http://www.alice.org/)のようにシナリオを入力してモーションを自動生成するシステムでは主にプロシージャル・アニメーションが使われています。これはプロシージャル・アニメーションがプログラミングで作られるため、AIなどのソフトウェアからはコントロールし易い傾向にあるためです。モーショングラフもプロシージャル・アニメーションもそれぞれに一長一短あるのですが、「AIとモーション」の両方で使用できる動作記述言語が、両者の長所を活かすのにどれほど有効か、既にビデオゲームのNPCなどでモーショングラフやAIに取り組んでいる方々と議論したいと思います。

また、モーショングラフはノンリニア・アニメーションの時間の扱いを拡張した技術ですが、ノンリニア・アニメーションでさえ作成には多くのノウハウと時間が必要です。これを改善するために、ReTeMoは時間軸の扱いを拡張するだけでなく、ノンリニア・アニメーションと同等のデータ構造、GUIで「アニメーションの手付」もできるように拡張しています。言換えればUIのシームレス化です。この技術についても併せて紹介します。

本発表では、ポスターに加えてプレゼンテーション映像の再生やデモンストレーションを行う予定です。プレゼンテーションでは、まず始めにバーチャル・アクターの構成要素・構成技術について体系的に整理したあと、弊社が取り組んでいるモーションデータの構造を言語と同等に作り変える研究について、その動作原理やメリット等を説明する予定です。


講演資料

  • C10_P0261.pdf

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講演者プロフィール

下平 和久

下平 和久
所属 : 株式会社ReTeMo
役職 : 代表取締役

略歴
1995年3月 武蔵野美術大学造形学部日本画学科卒
1996年2月 日立電子テクノシステム(株)(現日立国際電気)デザイナー
2007年3月 (株)ケープロジェクト システムエンジニア兼開発部部長
2010年1月 (株)ReTeMo 設立

実績等
2004年度 未踏ソフトウェア創造事業 開発者
《講師からのメッセージ》

このうような発表の場をいただけて光栄です。
会社も私もプロジェクトもまだ駆け出しですがよろしくお願いします。
双方にとって有意義な意見交換ができれば幸いです。