iPhoneが黒船となり、従来のガラパゴス状態から脱却し、日本の携帯キャリア、端末メーカー各社もそれぞれグローバル標準をめざすようになった昨今、オープンなスマートフォンが日本でも一般に使われるようになりました。しかしながらコンテンツ制作側から見ると、複数のモバイルプラットフォームが存在し、端末の多様化に歯止めがかかるどころか、細分化はさらに加速されている現状において、プラットフォームの特徴を活かし、魅力あるアプリを効率良く開発し、より多くの収益を確保するのは容易ではありません。大手パブリッシャは数年前までであれば、そのスケールをテコに、ローコスト開発拠点において、労働集約的に個別端末対応のための移植作業で、マルチ展開をまさに力技で実現してきましたが、このようなアプローチはもはや行われていません。本セッションでは今、世界のグローバルパブリッシャから、独立系アプリケーションデベロッパーがどのような手法で、プレミアムコンテンツをグローバルに、マルチに展開しているのかを、アプリケーションのビルド、デバッグ、そして端末への展開までのプロセスをデモも含めてご覧頂きます。
講演者プロフィール
中村 靖
PS2ミドルウエア・ツール黎明期から、効率的なゲーム開発のためのソリューション提供にたずさわり、早くも10数年経ちました。ミドルウエア・ツールをご提供する側だけでなく、使う立場である制作側でも、世界規模の複数スタジオで共有できる次世代技術開発プロジェクトをリードする機会にも恵まれました。2年半前にAirplay技術に将来性を見いだしIdeaworks Labsに参画しました。現在は10年前の最先端ゲーム専用機のパフォーマンスが手に乗る時代、アプリがサービスの価値を決める時代です。スマートフォンを中心にH/W本来のパフォーマンスを実現しながら、効率的なマルチ展開を実現する開発展開ソリューションを広めるべく、文字通り東奔西走する毎日です。
《講師からのメッセージ》
AndroidはJavaアプリのプラットフォームだと思い込んでいませんか。昨今のiPhone フィーバーに続き、今年は第2、第3のスマートフォンプラットフォームが立ち上がる端境期。従来、スマートフォンのアプリ開発は、ゲーム専用機向けのアプリ開発とは全く異質なものととらえられていましたが、この境界、障壁を取り去るネイティブアプリの開発展開ソリューションをご紹介します。既に数多くのグローバルパブリッシャーの著名タイトルで採用され、実績に裏打ちされたソリューション、Airplay SDKに触れてみて下さい。