平成21年度、九州大学は福岡市からの受託研究として、九州大学、福岡市、地場ゲーム会社による任意団体GFF(Game Factory’s friendship)の産学官にてシリアスゲーム制作のプロジェクトを実施しました。本セッションでは、シリアスゲームプロジェクトの1年間の活動内容について解説し、その後、今後の産学官連携によるシリアスゲーム制作の可能性を追求するためのパネルディスカッションをおこないます。
・セッションフロー
1、プロジェクト概要解説(15分)
プロジェクトでは、1年間をとおして環境をテーマとした4本のビデオゲーム(windows用2本、mac用1本、iPhone用1本)を制作しました。3月に福岡にて報告を兼ねたシンポジウムを実施し、来場者から高い評価を得ております。また同プロジェクトは平成22年度も継続して実施する予定です。概要解説ではプロジェクトの運営体制およびパネラーの紹介、行政より制作依頼を企画した意図について述べます。
2、パネルディスカッション(40分)
本プロジェクトは、日本では前例の少ない産業化を見据えたシリアスゲームの開発という点と、同様に類を見ない産学官によるゲーム制作体制の確立という2つの課題を抱えてスタートしました。この2点に加え、1年間の活動をとおして生じた課題について、実際に参加した産学官のスタッフに、リハビリの現場でシリアスゲームを導入している高杉准教授を迎えてディスカッションをおこない、今後の産学官連携によるシリアスゲーム制作の可能性を模索いたします。
<討論予定項目>
・昨年制作した「環境」ゲームの制作を通しての問題点、結果やプロモ展開について
・今年度のテーマ「ヘルスケア」「観光」をふまえ、シリアスゲームの産業化の可能性について
・今後の課題等
3、質疑応答(5分)
Q&A まとめ
以上、シリアスゲームという新しいコンテンツそのものの在り方に加え、新たな産業の創出や、大学における研究・開発の展望、人材育成等、産学官が抱える様々な課題について討論し、今後のコンテンツ業界のさらなる発展を目指します。
講演者プロフィール
松隈 浩之
●略歴
平成2年4月 九州芸術工科大学 芸術工学部 画像設計学科入学
平成6年4月 九州芸術工科大学大学院 情報伝達専攻入学
平成9年4月 凸版印刷株式会社 入社
平成15年9月 九州芸術工科大学 芸術工学部 講師
平成15年10月 九州大学大学院 芸術工学研究院 講師(現職)
●活動
平成22年4月~ レイワルデン応用化学大学(オランダ)とのリハビリゲーム共同考案
平成21年4月~ 福岡市シリアスゲーム制作業務委託
平成18年4月~ 国内外におけるアニメーション調査研究
平成15年4月~ アジアデジタルアート大賞展 実行委員会委員
《講師からのメッセージ》
ゲーム、アニメーションなどのコンテンツデザインを中心に活動をおこなっております。
石川 淳一
1987年システムソフト入社。「大戦略」「天下統一」など主にSLGのディレクション、プロデュースを担当。1999年エレメンツを創業後、「凱歌の号砲」「ジャンヌ・ダルク」「空母決戦」などの制作に関わる。最近はシリアスゲームやARGの開発にも積極的に参加。
土井 裕幹
1986年福岡市役所入所、2004年総務企画局空港推進課長、2008年経済振興局産業拠点推進課長、2010年から組織変更により現職。IT関連産業、ゲーム関連産業などの新産業の振興とともに、福岡都市圏21大学との連携による「大学のまち福岡」推進を担当
《講師からのメッセージ》
「福岡ゲーム都市宣言」。
九州・福岡を世界が目指すゲーム都市にするために。
高杉 紳一郎
昭和58年 九州大学医学部 卒業
平成元年 九州大学大学院 修了・医学博士
以後~整形外科 および リハビリ診療に従事
平成22年 九州大学病院 診療准教授,現在に至る
専門
高齢者リハビリテーション(介護予防,転倒予防)
スポーツ医学・障害予防 (日体協スポーツドクター)
日本リハビリテーション医学会 専門医
ナムコ社と共同で転倒予防を目的とした「ドキドキへび退治」を開発
《講師からのメッセージ》
ココロが動けば カラダも動く 動機づけ
思わず手が出る 足も出るような リハビリを目指す