「鉄拳6」、鉄拳シリーズ最新作におけるグラフィックス全般のビジュアルワークを紹介する。当初、ハイエンドビデオゲームコンソールの開発は「PlayStation3」のみをターゲットとしてきたが急遽、「XBox360」との同時発売が決定した。デッドラインの変更がないままアーティスト達はグラフィックスのクオリティー追求と制作効率の両立を求められた。そして「鉄拳6」チームではどのような方法とアプローチでビジュアルを制作してきたかを今回のセッションで紹介していきます。 また、ポータブルビデオコンソールである「PSP」の開発でのハイエンド用のグラフィックスデータを如何にしてリダクション、もしくはベイクして「PSP」へ実装したかに関してもふれていきます。 「キャラクター制作」(約20分) ・デザイン:鉄拳シリーズのキャラのイメージを守りつつ次世代機へ ・データ管理:キャラ40体とコスチューム、アイテムの管理方法 ・モーションブラーの動作原理と負荷を減らす工夫について解説 ・鉄拳シリーズ新機能:ヘアーカスタマイズ(髪の毛) ・シェーダー関連:スタジオライティング 「ステージ制作」(約15分) ・コンセプト:「後ろで見ている人も楽しめる」ステージ ・ポストエフェクト:サンシャフトの描画フローを解説 ・シーンの時間軸変化と演出効果(イルミネーションブレンドとイルミネーションマップ) 「マルチプラットフォーム」(約20分) ・PS3→360への移植で苦労した事、楽だった事(特にPS3→360方向の移植はレアケース) ・PS3→PSPへの移植、データリダクションした際に気をつけた事、苦労した点。 >リムライト(PSP) >Maya Mental-Rayでのハイエンド版鉄拳シェーダーによるテクスチャベイク ・業務用と家庭用の違い(コンシューマーの傾向とその対応) ・Mayaカスタムビューワー(仮想実機ビューワー)の機能紹介
講演者プロフィール
阿知良 剛
2007年 株式会社バンダイナムコゲームズ入社(鉄拳シリーズ)、2001年 株式会社コナミ入社(エンスージア、メタルギアソリッド)、1996年株式会社ナムコ入社(リッジレーサーシリーズ、エースコンバットシリーズ、ソールエッジ)、1992年株式会社ハドソン入社(ボンバーマン)、1970年 北海道札幌生まれ。
ツール開発プログラマー歴(18年間)、シェーダーと描画プログラマー歴(8年間)。
2008年 SCE講演。
緒方 俊光
2003年 ナムコ入社
塊魂の開発に関わり、鉄拳5から鉄拳シリーズの開発に参加。
鉄拳シリーズでは主にキャラクターの制作を担当。
シェーダーとツール周りのプログラマとの橋渡し的存在です。
堂前 嘉樹
1976年生まれ。ゲーム関連会社数社を経て、2008年バンダイナムコゲームス入社。
鉄拳シリーズには業務用『鉄拳6 BLOODLINE REBELLION』より参画。
家庭用『鉄拳6』ではPS3,360での描画プログラム統括と、PSP版における描画設計・移植を担当。
主な代表作はPSP『僕の私の塊魂』、PSP『スマッシュコート3』など。
和氣 浩介
2002年株式会社ナムコ入社し、XBOX『BREAKDOWN』背景担当しました。
2004年AC『鉄拳5DR』に参加、以降鉄拳シリーズで、カスタマイズ回り担当、キャラクター制作担当しています。