本セッションではこれからのゲームサウンドデザインに役立つ開発手法を紹介する。特に2つの重要な技術、プロシージャルオーディオ(リアルタイム合成)およびオーディオ特徴抽出(オーディオ分析)について述べる。
プロシージャルオーディオ
ビデオゲームでのサウンドデザイナの主要な仕事は、スタティックなサウンドからダイナミックへの変換である。まず現在の手法であるランダマイズ、スクリプティング、モジュラパッチングなどに加え、その問題点(ダイナミック性が低い、時間がかかる等)を紹介する。続いてプロシージャルオーディオを説明する。現行手法に比べ数多くの利点(ダイナミック性の高さ、メモリ使用量の低さ等)について述べる。リアルタイム合成の例として大気、水、衝突、生物のデモを行う。
オーディオ分析
操作対象の音源をより深く理解すれば、サウンドデザイナへ、より改善されたビジュアライズモードおよびより快適なプロセスオプションを提供することが出来る。したがってオーディオ分析はより洗練された、直感的なサウンドツール制作には欠かせない要素である。本セッションではダイナミックミキシングおよびオーディオシェーダーの導入によってオーディオエンジンをどのように改善したかの例を説明する。オーディオ分析は、オーディオを生かした新たなゲームプレイ性を考えることにも役立つ。
まとめ
紹介した2つの技術を統合し、より創造性に冨み、より生産性の高いサウンドツールを創り出せることをデモを交え紹介する。サウンドデザイナが実際のサンプルを分析し、それをダイナミックサウンドのモデルに変換するツールの例を示す。また物理現象サウンド(衝突と接触)のデザイン例も示す。
技術向上したが故に可能となったサウンド表現は、いままでも確実に存在してきました。本セッションでは、技術的アプローチから実現する新しい表現技法と、その背景技術についてを覗き見ることができます。コンピュータを使ったリアルタイム処理がもたらすサウンドデザインとは?。このセッションを通して、未来のゲームオーディオの姿が垣間見えるかもしれません。
ゲームオーディオに携わる方々必見です。
タグ:
日時:
2010年08月31日(火)17時50分〜18時50分
形式: セッション(60分)
受講スキル:
対象となる聴講者はオーディオディレクタ、サウンドデザイナ、オーディオプログラマ。特別なスキルは必要ではないが、ビデオゲームのオーディオに関わる基礎知識を持つことを想定している。
受講者が得られるであろう知見:
聴講者はプロシージャルオーディオ(リアルタイムサウンド合成)、おおびオーディオ特徴抽出(オーディオ分析)、およびそれらが今後サウンドデザインにどう影響を与えるかを学ぶ。これらの技術を用いた実際のデモが示される。セッション後、聴講者自らが活用できることだろう。
セッションの内容
所属 : Sony Computer Entertainment Europe
役職 : World Wide Studios
Principal Audio Programmer