本セッションでは実際のカメラの仕組みを実演しながら解説し、CG上での表現とどのような関係にあるかをお伝えしたいと思います。カメラの仕組みを理解することはフォトリアルな画作りだけでなく、ノンフォトリアルなルックでも説得力のある画作りに繋がります。
意外と軽視されがちなホワイトバランスとライティング環境の関係性とは? レンズの選択が何をもたらすのか? シャッタースピードや絞りといった設定がどのような効果を生み出すのか?
カメラの仕組みを理解した上で今よりも自信を持って画作りに取り組める一助にしてもらえると幸いです。
講演者プロフィール
山口 翔平
2012年にポストプロダクションに入社しCGテクニカルディレクターとしてCMや映画の制作に携わる。カラーマネジメント、実写撮影や合成の技術的サポートやツール作成などを担当。
リアルタイムグラフィックスに興味を持ち2019年に株式会社バンダイナムコスタジオに入社。TAとしてライティングやその技術サポート、技術研究などを行っている。
《講演者からのメッセージ》
CGのカメラも現実世界のカメラを基に作られています。現実世界のカメラに詳しくなると、その知識はCGのカメラにも応用できます。
また現実世界の写真もテクスチャの基になったり、リファレンスとして使われたりします。最近ではHDRIやフォトグラメトリなど写真をベースとした技術も普及してきて、CG業界で写真が活躍する場所は増えていると思います。
本講座でお伝えするカメラの基礎知識を色々な場面で活用してもらえると嬉しいです。
鈴木 雅幸
キャラモデリング、モーション、背景、ライティングアーティスト、シェーダーアーティストを経て、現在はTAとしてグラフィックに関する研究や各プロジェクトのサポート業務を行っています。
過去の講演としては
CEDEC2008 リニア空間と物理的に正しいライティング
CEDEC2019 『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』~お借りしたIPをできるだけ綺麗に描くために
CEDEC2020 信頼性の高いHDRI作成術
CEDEC2021 レイトレ時代のゲームグラフィックス、地に足をつけて備えよう - NVIDIA Falcor で次世代品質のリアルタイム物理ベース照明を手軽に素早く検証する -
CEDEC2021 『New ポケモンスナップ』におけるライティング
CEDEC2022 MaterialXとStandard Surfaceのゲームグラフィックスへの応用について
CEDEC2023 DCCツールを用いた広色域テクスチャワークフロー
《講演者からのメッセージ》
カメラの基本的な仕組みと起きることを知っておくことで、普段何気なく設定しているポストエフェクトの理解も得られ調整もしやすくなると思いますのでこれを機に理解を深めていただけると幸いです
溝口 優子
鉄拳、ソウルキャリバー、ポッ拳などの格闘ゲームの背景リードとしての経歴が長く,近年ではライティングフローの大幅な見直しを経験し、社内ワークフローの改善に励んでいます。
《講演者からのメッセージ》
CGよりもずっと前からあるカメラで用いられる表現は、ごく自然にスマホなどでも目にしていると思います。
では実際にどのような処理を経て、その画像をみているのでしょうか?
カメラの基礎知識を持つことで異なる開発環境でのパラメーター設定や表現について、周囲に説明し実装する場面で何かとスムーズに進むことが多く、この講演が何かのヒントになれば幸いです。