本セッションでは、FINAL FANTASY XVI(以下FF16)における「環境VFX」制作において
「炎の輝度」「風速」の2つの絶対的な基準を開発全体で設けることで、
自然かつ、手戻りの少ないワークフローを構築していった過程を紹介します。
まずは、「明るさとは何か?」を露出の関係性から紐解き、炎の輝度計測の結果を通して”正しい明るさ”をどのように落とし込み活用したかを解説します。
また、風を活用することでVFXの生成を自動で導くシステムの紹介を通して、ストレスフリーな開発環境を構築していった手順を説明していきます。
講演者プロフィール
山下 広美
2007年 スクウェア・エニックス入社。
「The Last Remnant」「FINAL FANTASY XIV」でのVFX制作を経て、
「FINAL FANTASY XVI」ではLead Environment VFX Artistとして環境系VFXの仕様策定やマネジメントを担当。
《講演者からのメッセージ》
はじめてのPBR環境でのVFX制作、戸惑いませんでしたか?
また、背景から自動的にVFXが生成されたらいいのにとは思いませんか?
技術革新の波が激しく、戸惑うことも期待することも多いですが、
基礎となる物の考え方は案外普遍的なものが多いかと思います。
今回お話するのは、「PBRに必要な炎の輝度」「VFXの自動化」を中心に
普遍的な知識の解説、それを応用した実装の例が主になります。
普遍的な基礎知識を改めて見直すことで、皆様の制作の一助になれば幸いです。