■ ADAS業種におけるゲーム開発技術の活用事例
近年では自動車業界の自動運転(AD)/先進運転支援システム(ADAS)技術開発において、開発リソースの効率化を目指した、仮想環境によるシミュレータ活用が積極的に推進されています。私たちはこの仮想環境アイテムとして、Unreal Engine上に実機を模擬した広角歪みカメラモデルを開発しました。
本セッションでは、カメラモデルの要求スペックを担保するために、車載カメラレンズ担当者とゲームエンジン/グラフィックスプログラマが寄り添って工夫した事例をご紹介します。
また、実機データリファレンスとカメラモデルから出力した画像との比較評価の難しさなど、AD&ADAS開発ならではの話題にも触れていきます。
講演者プロフィール
瀧下 水月
【略歴】
2020年 株式会社デンソー入社 ソフトウェアエンジニア
自動運転、自動駐車、先進運転支援システム関連でゲームエンジンを用いた仮想環境・ツールの開発に従事。
《講演者からのメッセージ》
より高度な自動運転・先進運転支援システムの開発にはより膨大な開発リソースが必要であることから、開発効率化を求めて仮想環境シミュレータが注目されています。この実現に向けて、ゲーム会社ORENDA WORLD様のサポートのもとゲームの開発技術を活かした広角歪みカメラモデルを実装した事例をご紹介します。
本日はその過程やADAS開発ならではの知見もお話ししたいと思います。
小口 貴弘
2002年に家庭用ゲーム機の開発・販売の会社に入社以来、GPUやグラフィックス、画像処理関連の研究開発に携わる。
2017年に株式会社デンソーに入社。自動運転、先進運転支援システムの実装や、仮想環境の開発に従事。CGやGPUを応用した仕組みの研究開発に取り組む。
《講演者からのメッセージ》
広角歪みレンズ表現に興味のある方はぜひご覧ください。
ゲームプログラマとレンズエンジニアと一緒にカメラ模擬の知見を共有したいと思いますのでお楽しみに!
※このセッションでは、歪みはユガミとも読めますがヒズミと呼んでいます。
古武 泰樹
2011年 デンソー入社
入社以来、AD・ADAS向けカメラ製品の光学設計・開発に携わる。
《講演者からのメッセージ》
光学用語であり、かつ、少しネガティブな印象を持つ"歪み=ひずみ"という現象について、
エンジニアリング観点で"面白いもの"ととらえていただけるように、皆様とお話したいと思います。
佐久間 一行
前の職場では家庭用ゲームソフトの開発に10年近く従事。
現在は株式会社ORENDA WORLDにてゲーム開発のノウハウを活かし、
ゲームエンジンを活用したプロジェクト開発に取り組んでいます。
《講演者からのメッセージ》
ゲーム開発以外でUnreal Engineを活用することで見出せる可能性について伝えたいです。
またこれからゲームエンジンを触ってみたいと思っている方に興味を持ってもらえたらと考えています。
古平敏志
フリーランスのグラフィクスエンジニア
10年以上ゲーム開発会社で複数タイトルに関わり、主に描画エンジン開発に従事
現在は主にUnreal Engine関連のプロジェクトに関わっています
グラフィクス技術サイト「もんしょの巣穴」の管理人
『Unreal Engine 4 マテリアルデザイン入門』『作例で学ぶSubstance 3D Designerの教科書』を共著しています
《講演者からのメッセージ》
Unreal Engineはゲーム開発のみならず、様々な産業分野でも使われているゲームエンジンです
産業分野でもゲーム開発のノウハウは活かせますが、考え方や求められるものがゲーム開発とは異なる部分もあります
本セッションでは歪みカメラモデルの開発を通して、活かせるノウハウやゲームとは違う要望にどのようにアプローチするかについてお伝えしたいと考えています