本セッションでは、次世代のハイエンドゲーム制作を見据えて開発しているレイトレベースのゲーム実行環境と制作環境の取り組みを紹介します。
前回の講演、CEDEC 2020年 レイトレ時代のゲームグラフィックスVol. 1 でNVIDIA Falcor を使ったリファレンス環境構築を紹介しました。
今回は、リファレンス環境からゲーム実行環境の構築に進みました。その過程をご紹介します。
簡単な技術デモも予定しています。
具体的には、下記2点について説明します。
1. ゲーム実行環境
NVIDIA Falcor からレイトレベースのゲーム実行環境へ
リアルタイムレイトレの利点と課題
ReSTIR ベースの綺麗な光と影を生み出すリアルタイム大域照明
2. つながる制作環境
USD ベースのつながるゲーム制作環境
NVIDIA Omniverse を活用したグラフィックスデザインとレベルデザインの並行開発
講演資料
- CEDiL_CEDEC2023_レイトレ時代のゲームグラフィックス Vol.2 - ハイエンドタイトル制作向けゲーム実行環境とつながる制作環境の取り組み紹介_BNS_morishige.pdf
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講演者プロフィール
森重 伸也
2019年バンダイナムコスタジオ入社。主にゲームエンジンのリアルタイムライティング、リアルタイムレイトレーシングを担当し、社内でのハイエンドグラフィックスデモ制作、グラフィックスでAI 活用の社内推進に協力。現在は、次世代のゲームプロジェクト向けレンダリングを担当。ファミリーベーシックでプログラミングに触れ、パターン認識を専攻し、60fps 必須な家庭用ゲーム制作等を経て現職。昨年フランスのパリと南仏に行き、Pont du Gard など現実世界の古くて新しい美を体験して、ゲームではまだやることがあると実感。
《講演者からのメッセージ》
CEDEC2020 講演でリアルタイムレイトレによるリファレンス環境とその活用について紹介させていただきました。
今回は一歩進んで、リアルタイムゲーム向け照明手法や実行環境についての取り組み紹介です。
ハードウェアでのレイトレとAI 機能により、5年前、10年前の開発では出来なかったことが出来るようになってきました。
一方で、個人的には、近年のゲーム制作の大規模化と長期化が課題に感じています。
昔ながらの小さな規模から始めて段階的に広げていく、例えば、Viewer から始めて徐々にゲーム実行環境になっていくという進め方には地に足のついた利点がありました。その辺りを考慮して、次の5年後、10年後に向けての刺激になれば幸いです。
よろしくお願いいたします。