フォトリアル志向のゲームでは、多様で複雑な実在マテリアルを再現することは非常に重要です。一般的には、アーティストが目で見て材質感を合わせる作業を担いますが、個人間の感覚の差やライティング環境の差のある中で、何千もある色や質感の微細な差を一貫性をもって調整することは非常に困難です。実際の物性を測定して復元する手法があれば、この手間を大きく軽減することが可能となります。そこで弊社では微分可能レンダラMitsuba3を用いて、実際に計測したBRDFデータから、マテリアルパラメータをフィッティングするシステムを開発しました。本セッションでは、ゲーム向けマテリアルシステムの基礎から順を追って、フォトリアルな素材をゲームに収録するという仕事を支える技術を紹介します。
講演者プロフィール
内村 創
5歳からMSXでプログラミングに触れて以来30年以上プログラミングをしてきました。
フォトリアルなCGのテクノロジと、画像認識や機械学習に強い興味があります。二児の父。
CEDEC2011 / 画像認識技術の使い方と最新の取り組み
CEDEC2015 / フーリエ変換を用いたテクスチャ有効解像度推定とその応用
CEDEC2016 / ゲームのための色彩工学
CEDEC2017 / HDR 理論と実践
GDC 2018 / Production Pipelines for HDR and Wide Color Assets
SIGGRAPH ASIA 2018 / Practical HDR and Wide Color Techniques in Gran Turismo SPORT
《講演者からのメッセージ》
久しぶりの物理会場で、皆様と直接深いディスカッションできるのがとても楽しみです。