いわゆる「セルフBIツール」の普及に伴い、様々な業界において「マーケティング分析」や「ユーザー分析」といった、「様々なデータを掛け合わせ、データを深掘りして新たな知見を得る」ことは手軽に行えるようになりつつあります。
特に最近のツールはデータの取り扱いに関する基本的な知識がなくても、分析したい項目をドラッグアンドドロップするだけでデータビジュアライズやデータの深掘りができてしまうことから時として、誤った知見に陥ることがあります。
今回の講演では様々な企業や団体でデータソースを起こす人たちとそれを加工して利用する人たち、その双方にこれまで接してきた経験から
・データソースに関する悪例とその対策
・データ加工に関する悪例とその対策
について、事例をもとに解説いたします。
講演者プロフィール
戸崎 茂雄
1992年、ナムコ入社(現:バンダイナムコアミューズメント)。いわゆる「ゲーセンの店員」ながら、職歴の大半はゲーセンの店員「以外」の仕事。
初めてBIツールに触れたのは2011年頃。試験導入したものの誰も扱い方が分からず社内で放置状態になっていた”Qlik View”(現:Qlik Sense)を用い、社内データベースから定期的にデータ取得・情報更新する売り上げ分析ダッシュボードを構築したのが最初。
2015年、truestar activation(現:truestar)に転職。現在は主にAlteryx Designerを用いデータエンジニアとして日々、仕様がブラックボックス化したデータ加工処理の構造解析・リビルドや、帳票構成がえげつないファイルから扱いやすいデータ構成に整える処理に従事。
日本デジタルゲーム学会正会員。
《講演者からのメッセージ》
ゲーム開発・運用の現場にデータドリブンな考え方と、それをサポートするツールが採り入れられるようになってから随分の月日が経ちました。
その間、ツールは進化し、分析も単にユーザー属性と行動ログといった内部データだけでなく、市場動向や外的要素などの外部データと組み合わせて複合的な分析(と予測)が行えるようになってきました。加えて利用者もゲーム開発・運営だけでなく例えば宣伝販促、経営戦略などの非開発部門でも活用されるようになり、インプットデータソース/エンドユーザー、双方で裾野を広げつつあります。
しかしその一方で昔から帳票ベースで仕事をしてきた人にとって、そうした潮流とは別の問題として「データとの向き合い方」に深い溝が存在し、それが拡大展開の障壁となることは、経験則としては認識されているものの、明示的に語られることはさほど多くありません。
今回は主にデータソースとデータ加工を話の切り口として、
「データドリブンな考え方とツール活用を社内に浸透させる際、立ちはだかる『見えざる壁』とそれへの立ち向かい方」
についてお話いたします。