ヒストリアはゲーム開発とノンゲームコンテンツ開発を行っていますが、2つの業界はそれぞれ人材に関する業界課題を抱えています。
ゲーム業界は志望する人が多いにもかかわらず、求められるスキルが高いことや育成コストなどの理由により人材が足りていません。ノンゲーム業界においても需要が増え続けているにもかかわらず、認知度が低いため志望者が少ない現状です。
こうした中において、弊社が行っているコンテストイベント『UE4ぷちコン/UE5ぷちコン』などのコミュニティ活動を通じて、ゲーム業界外にも趣味としてゲーム制作を行う方が数多く存在することに気付きました。趣味をきっかけに、ゲームエンジンに触れる人口を増加させることが業界課題の解決に繋がると仮定し、"ゲームづくりを楽しむ"ためのWEBメディア『ゲームメーカーズ』を立ち上げました。
ゲームメーカーズは、ゲーム開発者に向けた最新情報を提供するポータル的な側面を持ちながら、WEBサイト自体のターゲットは高校生以上としています。ゲーム制作を「それ自体が楽しいもの」として再定義し、サイトのデザインや用語集などのコンテンツ、インタビューの切り口を独自に設計しています。
本セッションでは各業界の人材不足の構造分析、ノンゲーム領域におけるゲームテクノロジーの広がりと弊社が考える今後の展望、そしてゲームメーカーズによる業界課題への具体的なアプローチを語ります。
講演者プロフィール
佐々木 瞬
コンシューマーゲームのディレクター、リードプログラマーを経て、2013年10月にUnreal Engine(以下UE)専門会社である株式会社ヒストリアを設立。UEを用いたコンシューマーゲームやVRタイトルの開発に加え、自動車業界・建築業界・テレビ業界向けノンゲームコンテンツの開発を行っている。学習用ミニコンテスト「UE5ぷちコン」やWEBメディア「ゲームメーカーズ」をはじめとする開発者への情報発信にも力を入れる。
●ゲーム
・「ライブアライブ」(ディレクター)
・「Caligula2」(開発プロデューサー/開発ディレクター)
●ノンゲーム
・自動車業界向けシミュレーション環境制作
・バーチャルモデルルーム制作
・放送/映像業界向けコンテンツ制作
《講演者からのメッセージ》
ゲーム制作、ノンゲームコンテンツ制作、コミュニティ活動、人材育成。私が今まで活動のテーマとして掲げてきたものが交わる場所。それがゲームメーカーズだと思っています。
私たちはゲーム制作自体が夢中になれるコンテンツだということを知っています。それを多くの人に知ってもらい、さらには将来の就職先としての選択肢に挙げてもらえたら、それは素敵なことではないでしょうか。
ゲームテクノロジーがゲーム業界だけのものではなくなり、さらなる飛躍を遂げようとしているいま、改めてこのテーマに向き合えればと思います。
有末 けい
他業界でのイベント企画・運営を経て、2019年にヒストリアに広報/イベント担当として入社。
ゲーム作品・エンタープライズコンテンツのプロモーション、Unreal Engineコミュニティに向けたイベント(「UE5ぷちコン」「アンリアルクエスト」「出張ヒストリア!」など)の主催・運営のほか、採用イベントや広報業務を行う。
2022年5月にはゲームメーカーズを佐々木・神山と共に立ち上げブランドマネージャーに就任。2023年3月に開催したリアルイベント「ゲームメーカーズ スクランブル」では実行委員長を務める。
《講演者からのメッセージ》
ゲーム制作者向けイベント「UE5ぷちコン」や「アンリアルクエスト」などを通して、初めてゲーム制作をする人をたくさん見てきました。
私自身もぷちコンに参加してゲームを完成させた経験がありますが、ゲーム制作にはとてつもない熱量が必要です。
それでも毎回、仕事でもないのに多くの人が参加してくれます。ゲーム制作にはそれだけの魅力があるのだと思います。
本セッションでは、ゲーム制作者ではない私から見た、ゲーム制作者というコンテンツが持つ可能性を伝えていけたらと思います。
神山 大輝
2013年に東京工科大学大学院を修了後、株式会社宮地商会にてレコーディング製品の営業販売およびスタジオ設計サポート、音楽教室講師などを担当。2017年に独立し、主にスマートフォン向けゲームの楽曲・効果音制作やVR音楽ライブの技術協力、映像制作事業を展開。また、2018年より東京工科大学で非常勤講師を務める。
編集者・ライターとしては開発事例やミドルウェア系の専門的な技術記事を中心に複数メディアへ記事寄稿のほか「VRコンテンツ開発ガイド2018(共著)」など書籍執筆も手掛ける。これまでの開発経験と執筆経験を活かし、2022年5月より「ゲームメーカーズ」編集長に就任。
《講演者からのメッセージ》
「ゲームづくりを楽しもう!」というコンセプトを、具体的な施策やコンテンツに落とし込む際のプロセスを事例ベースでお話します。イベントカレンダーや用語集、ゲームエンジンのチュートリアルなど具体的なコンテンツから独自性を持ったインタビュー記事の作り方まで、幅広い要素に触れたいと考えています。企業でオウンドメディアを預かる方など、近しい分野に携わる方にとっても役立つ内容になるかもしれません。苦労話もあると思いますが、ぜひ知見を共有させてください。