本セッションでは、光の反射の基礎からはじめて、表面反射の基礎概念であるマイクロファセットBRDFの成り立ちを学びます。
いわゆる物理ベースマテリアルでは、「ペースカラー」「メタリック」「ラフネス」といった数個のパラメータを使い、多様な物体の光反射を写実的に表現できます。
しかし、この表現を支える数理モデルを CG の非専門家が独学するのは、なかなかに大変です。
そこで、まずは物理ベースマテリアルの背景にある現象の直観的な説明を行います。
そして、表面反射の基礎概念であるマイクロファセットBRDFと、GGX分布の成り立ちに焦点を当て、最近の発展的な研究や高度な内容について触れます。
講演者プロフィール
石山 浩平
VFXプログラマー、グラフィックスプログラマーを経て2020年より現職。『グランツーリスモ7』ではグラフィックスシステムを中心とした開発に従事
《講演者からのメッセージ》
光の反射現象の背景にある物理について、直観的にお伝えできればと思います
大垣 真二
Digital DomainやOLM Digital, Inc.など国内外プロダクションを経てAutodesk Ltd.に移りレンダラの開発に携わった。現在はZOZO, Inc.で勤務し、レンダラの開発やレンダリングの研究を趣味で行っている。
過去のCEDECでの公演:
CEDEC2019: レイ・トレーシングのデータ構造を極める!
CEDEC2016: わかりやすいプロシージャラル・シェーダのはなし
《講演者からのメッセージ》
式だけを見れば複雑で何をしているか直感的に理解できないものでも、式に特定の数値を代入したり、式を順に変形させたりしていくことで、実はそれが驚くほど単純なものだと気づくことがあります。今回はGGXを例に挙げ、サンプリングなどについて、出来るだけ分かりやすく説明したいと思います。