モバイルゲームにおけるUIアニメーションには、ボタンタップ時の拡縮などユーザーの操作に対するフィードバック、UIの入退場時の気持ちよさを増やすための演出、カード強化時のパラメータの変化を分かりやすくするための演出など、様々なものが存在します。
UIアニメーション開発の難しい点として、ユーザーのプレイ状況に応じてアニメーションの内容が動的に変化する場合が多い点があげられます。
そのため、エンジニアが実装するゲームロジックへの依存が生まれやすく、クリエイターとエンジニアの分業が難しい領域になります。
一方、近年のモバイルゲーム市場ではUIアニメーションの重要性がますます高まっています。
具体的には、複雑でリッチな表現が増え、アニメーションを入れるべき箇所の数も増大しています。
QualiArtsでは、このように高い難易度となっているUIアニメーション開発の理想的な形を模索してきました。
その中で、Unity上でクリエイターが簡単にUIアニメーションを開発できるようにする内製ツール「Titan」の開発を行いました。
本セッションでは、Titanを利用することにより難易度の高いUIアニメーション開発のワークフローをどのように改善したかについて、エンジニア・クリエイター両視点から説明します。
講演者プロフィール
田村 和範
2015年に株式会社サイバーエージェントに新卒入社。
株式会社QualiArtsにて複数の新規モバイルゲーム開発に携わり、主にUI実装を担当。
現在は複数プロジェクトで利用可能な基盤やツールを開発する横断組織に所属し、UI基盤やデザインインポートツール、UIアニメーションツール「Titan」などの基盤の開発に従事。
▼過去講演
「大規模モバイルゲーム開発を高速化するAdobe XD活用術 〜企画立案からUnityと連携した実装まで〜」(CEDEC2020)
《講演者からのメッセージ》
私は、本発表の中でご紹介するUIアニメーションツール「Titan」の開発をメインプログラマーとして先導しました。
UIアニメーションツールの開発は、ツールとしての使い勝手をいかに上げるかが非常に重要になります。
Titanの開発においてどのような要素が重要と考え、その要素をどのように実現したかについて説明します。
礒見 信司
2021年度に株式会社サイバーエージェントに入社。ゲーム事業部の株式会社QualiArtsに出向し,IDOLY PRIDEのUI/UX・インタラクションデザイン・映像制作に携わる。現在は新規タイトルのUI/UXデザインに従事している。
《講演者からのメッセージ》
モバイルゲームにおけるUIインタラクション開発は実装との連携面で課題が出やすい領域だと考えます。今回のセッションでは「Titan」を用いたインタラクション開発フローとその利点についてデザイナー目線からお話しできればと思います。
横田 直輝
2015年に株式会社サイバーエージェント入社し、エンジニアとして複数のスマートフォン向けのゲームアプリ開発に参加。現在は株式会社QualiArtsにて新規タイトルの開発に従事し、アニメーションや各種演出周りの実装を担当しています。
《講演者からのメッセージ》
今回の講演では、内製ツール「Titan」を活用したUIアニメーション開発フローの導入と、エンジニアとクリエイターの協力によるプロジェクト進行方法についてお話しします。理想的なフローを一度に実現するのは難しいですが、現実的なフローからステップバイステップで改善していくことで、理想に近づくことができます。Titanを実際のプロジェクトに適用する方法や、エンジニアとクリエイターが効果的に役割分担をするポイントについてもお伝えします。