ゲームのテストでも「何を」「どのように」テストするのかを考える「テスト設計」の活動を重視し実践している組織も増えてきています。
しっかりしたテスト設計をするには仕様書などのテストベースは欠かせません。しかし、ゲーム開発の現場では仕様が二転三転したり、仕様Fixに時間がかかりコードフリーズギリギリになることもあります。また、開発担当者に仕様書の修正/更新を依頼してもすぐに実現しないこともあるでしょう。
テスト側の理想と開発の実情とのギャップがある中で、テスト側としては開発の実情に合わせていかなければならないことも少なくありません。その際にどのようにテスト設計を対応していくのが良いのか、私がこれまで関わってきた組織やプロジェクトなどの知見から考えてみたいと思います。
講演者プロフィール
花房輝鑑
2001年にパブリッシャーの内部品管で初めてゲームデバッグに従事して以降、ゲームと非ゲームを行き来し、またテスト会社や内部品管などで現在まで一貫してテストに携わり、約20年で100以上のタイトルやプロジェクトに関わる。ゲーム業界の古くからの文化的な「ゲームデバッグ」と体系的な「ソフトウェアテスト」、現場のマネージャーから組織運営管理まで幅広く経験。JSTQB Advanced Level TestManager、IT検証技術者認定試験(IVEC)レベル5などを保有。著書「ゲームをテストする バグのないゲームを支える知識と手法」(翔泳社)。
《講演者からのメッセージ》
ゲームのテストというと「ひたすらゲームをプレイしてバグを探す」というイメージがまだまだ一般的ではないでしょうか。確かにゲームのテストは取っ掛かりの敷居は低いものの、しっかりとテストを行おうとすると専門知識・技術が求められるため、イメージと実態とのギャップが大きい仕事なのではないかと思います。私は20年以上様々なソフトウェアのテストに関わってきましたが、その中で取り組んだことや得てきた知見をお伝えしていくことで、少しでもゲームの品質向上に繋がるヒントとなれば幸いです。