Substance PainterなどのDCCツールを用いて、アーティストがRec2020などの広色域テクスチャを作成する手法を解説します。
具体的にはWindowsのディスプレイ設定やDCCツールでのOpenColorIO設定の解説となります。
これにより、sRGB色域外のマテリアルを表現できる他、テクスチャからレンダーターゲットまで描画パイプラインをRec2020で統一する事が出来ます。
また、広色域テクスチャを扱う時に考慮するべき物体色の限界についても解説します。
講演者プロフィール
多田 航
2005年ナムコ(現バンダイナムコスタジオ)入社
主に関わったタイトルは
・ACE COMBAT6
・ACE COMBAT ASSAULT HORIZON
・テイルズ オブ カードエボルブ
・アイドルマスター ミリオンライブ!
・ポッ拳
・New ポケモンスナップ
など
過去の講演としては
・CEDEC2011 ACE COMBAT ASSAULT HORIZONにおける継続的インテグレーション
・CEDEC2011 「エースコンバット アサルト・ホライゾン」インゲームカメラ制作事例
・CEDEC2015 ポッ拳におけるゲームエディタの設計と実装
・CEDEC2019 家庭用ゲーム開発におけるゲームエディタの基礎設計と、安定かつ高速なアセット管理について
・CEDEC2019 DirectX Raytracingを用いたライトベイカーの実装について
・CEDEC2021 『New ポケモンスナップ』におけるライティング
・CEDEC2022 MaterialXとStandard Surfaceのゲームグラフィックスへの応用について
など
《講演者からのメッセージ》
近年DCCツールのOpenColorIO v2対応が進んでおり、色域変換をワークフローに取り入れやすくなっています。
今後は輝度だけではなく、色域もRec2020を前提として開発されるゲームタイトルが増えることでしょう。
鈴木 雅幸
技術スタジオ 第1グループ コアテクノロジー部 TEC/TAユニット TAセクション TAパート3
キャラモデリング、モーション、背景、ライティングアーティスト、シェーダーアーティストを経て、現在はTAとしてグラフィックに関する研究や各プロジェクトのサポート業務を行っています。
過去の講演としては
CEDEC2008 リニア空間と物理的に正しいライティング
CEDEC2019 『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』~お借りしたIPをできるだけ綺麗に描くために
CEDEC2020 信頼性の高いHDRI作成術
CEDEC2021 レイトレ時代のゲームグラフィックス、地に足をつけて備えよう - NVIDIA Falcor で次世代品質のリアルタイム物理ベース照明を手軽に素早く検証する -
CEDEC2021 『New ポケモンスナップ』におけるライティング
CEDEC2022 MaterialXとStandard Surfaceのゲームグラフィックスへの応用について
《講演者からのメッセージ》
広色域でのテクスチャについて現実の値と比較して物体色の限界や注意点について説明いたします
山口 翔平
2012年にポストプロダクションに入社しCGテクニカルディレクターとしてCMや映画の制作に携わる。
カラーマネジメント、実写撮影や合成の技術的サポートやツール作成などを担当。
リアルタイムグラフィックスに興味を持ち2019年に株式会社バンダイナムコスタジオに入社。
TAとしてライティングやその技術サポート、技術研究などを行っている。
《講演者からのメッセージ》
これからHDRの普及とともに課題となるであろう広色域での制作について実践的な説明ができればと思います。