2020年という激動の時代を乗り越え、グローバルなゲームシーンはニューノーマル時代に移行しています。世界レベルで市場規模が過去最高を更新し、巣ごもりという状況において、如何にゲームというメディアが人々に「潤い」をもたらしたかが明確となりました。これらに加え、欧米では新世代コンソールが着実に浸透するのに加え、eスポーツもニューノーマル時代に適応を進めています。これらに合わせるようにゲーム会社大手が中堅開発スタジオやeスポーツ興行機関を傘下に入れるなど戦略的なグループ編成もより明確となってきました。また、Facebook、Niantic、そしてソニー・インタラクティブエンターテインメントがそれぞれのポジションから新たなXRデバイスを提案することで新たなゲーム体験の可能性を示唆しました。このように激変するグローバルシーンの中で、日本企業は如何に独自のポジションを維持するべきなのでしょうか?本講演は株式会社角川アスキー総合研究所「ファミ通ゲーム白書」編集長 マーケティンググループマネージャを務める上床光信氏が欧米市場について、中国ゲームビジネスに16年近く携わりつつ、日本における、中国ゲームメディアの代表格である「ゲーム大陸」を立ち上げた北阪幹生氏が中国市場に関して解説します。
そしてこれらを20年にわたりアカデミックな立場でゲーム産業やその周辺産業をウォッチしてきた、立命館大学映像学部教授の中村彰憲氏がモデレートすることで激変するグローバルなゲームシーンを一目に俯瞰することを目指します。
講演者プロフィール
中村彰憲
立命館大学映像学部教授。日本デジタルゲーム学会会長。立命館大学ゲーム研究センターセンター長。博士(学術)/名古屋大学大学院国際開発研究科修了。
主な著書に『中国ゲーム産業史』(Gzブレイン)『ファミコンとその時代』(NTT出版、共著)、『なぜ人はゲームにハマるのか』(ソフトバンクパブリッシング、共著)、『中国ゲームビジネス徹底研究』(エンターブレイン)など多数。『ファミ通ゲーム白書』では、中国及び新興市場を、『デジタルコンテンツ白書』は中国市場を担当している。2015年のサバティカルを契機に北米で熱狂が拡がるトランスメディア・ストーリ―テリングについて「ファミ通.comゲーム産業研究ノート:グローバル編」で初リポート。以降、この概念に基づいて、北米IPや国内IPも再分析し、継続的に発表している。
《講演者からのメッセージ》
ニュー・ノーマルが浸透しつつある世界の状況とそれに対応しているゲーム業界について、このセッションをとおして確認していただければと思っております。
北阪幹生
15年以上、中国ゲーム会社の人間として日中イン・アウトのビジネスに従事。簡単に言うと『ゲームx中国』の人。
・03年:中国上海に渡り、現地デベロッパーWinkingに入社。
大手日本企業との中国市場向けPC-MMO開発PJに携わる。
・09年:帰国し上海のPCのブラウザゲーム開発/運営会社UltiZenの日本支社立ち上げ。
・11年:同社のレッド・エンタテインメント買収を機にレッド社に転籍。
・13年:中国パブリッシャー崑崙の日本支社副社長就任。
・20年:「シャイニングニキ」「恋とプロデューサー」のニキ株式会社CEO就任。
《講演者からのメッセージ》
これまでの経験や今後の展望などを交え、少しでも中国事業に興味の有る方から、現在進行系で携わっている方まで、皆様のお役に立てるような、実践的なお話しができるよう努めます。
上床 光信
『ファミ通ゲーム白書』の編集長をはじめ、20年間もの間ゲーム業界の屈指の「ファミ通マーケティングチーム」を率いる。
近年、同チームでは、総務省『eスポーツ産業における調査研究』をはじめ、Newzoo社の『Global Esports Market Report 2019』の日本語翻訳版を発刊するなど、eスポーツ市場やクラウドゲーム等にも注目し、ワールドワードに市場分析を手掛けている。また、『アニメマーケティング白書2020』を発刊するなど、ゲーム隣接業界も含めたエンタメ業界にもフォーカスし、ゲーム業界、エンタメ業界のマーケットアナリストとして業界の前線を走り続けている。
《講演者からのメッセージ》
ニューノーマルにおけるゲーム産業の現状と展望をお伝えしつつ、ゲームの未来をグローバルの動きを踏まえてお話できればと思います。