レイトレーシング対応のGPUの登場によりリアルタイムレンダリングの表現はより一層のクオリティアップが可能になりました。
しかし、高度なレイトレーシング手法をリアルタイムレンダリングに取り入れようとすると、その確率的な特性から生じる大量のノイズに悩まされることになります。
本セッションでは自社製のリアルタイムレンダリングエンジンにおける、リアルタイムレイトレーシングのデノイザー開発についての取り組みを紹介します。
リアルタイム向けのデノイザーのアルゴリズムの紹介や各要素技術の実装方法、そしてそれらにより最終的にどのような結果が得られたのかを詳しく説明します。
またデノイザーの実装において遭遇した種々の問題とその対策についての解説も行います。
リアルタイムレイトレーシングに現在取り組んでいる方々、今後に取り組んでいきたい方々のデノイズ戦略を定める為の一助となれば幸いです。
講演者プロフィール
川口 龍樹
2017年に新卒でシリコンスタジオ株式会社に入社。研究開発室に所属し、自社リアルタイムレンダリングエンジンの技術開発に携わる。レイトレーシング対応ハードウェアの登場からは、リアルタイムレンダリングにおけるレイトレーシング技術の研究開発に取り組む。
《講演者からのメッセージ》
リアルタイムレイトレーシング対応のハードウェアの登場から数年が経ち、各種エンジンやゲームタイトルでもその技術が利用されるようになってきました。一方、それらの技術は海外発信であることが多く、日本語でまとまった情報収集はなかなか困難です。特にレイトレーシングに付随するデノイザー技術は非常に重要かつ奥深い分野ながら、その全貌を一から学んでいくのは大変です。本講演では、そんなリアルタイムレイトレーシングのデノイザー開発について詳しく紹介していきます