近年、モバイルゲームの規模も大規模化しており、そのアセットデータのダウンロードに掛かる時間も増大する傾向にあります。
弊社では、アセットデータのダウンロード待ち時間を HTTP/2 を採用することにより低減することに成功しました。
当講演では、この HTTP/2 の仕様のゲーム開発者向け解説とモバイル向けタイトルでの導入・運用事例を紹介します。
仕様の解説では、 HTTP/2 を採用すると何故ダウンロード時間の低減が可能なのかに加え、クライアントサーバ間の通信の効率化に寄与する点についても触れます。
導入事例では、具体的にアセットダウンロードがどれだけ高速になったかの実例も併せて紹介を行います。
運用事例については、HTTP/2 はゲーム業界においてはまだ事例紹介が少なく枯れ切っていない面も多くある為、採用したタイトルの運用中に実際に発生したトラブルとその解決方法について特に時間を掛けて紹介を行う予定です。
講演者プロフィール
竹原 涼
2008年に株式会社セガにプログラマとして入社。
開発環境整備、ツール製作、ネットワーク、グループ内カンファレンス主幹等ジャンルを問わない幅広い業務に従事。
最近の興味ある分野はサウンド開発環境の効率化とネットワークプロトコル。
【登壇歴】
CEDEC 2020 「技術同人作家になろう ~働き方改革時代におけるエンジニアのレベルアップの一例~」
Unite Tokyo 2019 「大量のアセットも怖くない!~HTTP/2による高速な通信の実装例~」
CEDEC 2018、CEDEC 2016、CEDEC 2015 プロダクション関連のラウンドテーブル
GDC2016 報告会 「GDC16にみる自動化技術とテストのトレンド」
《講演者からのメッセージ》
近年、モバイルゲームの大規模化に伴うアセットデータ数の増大は著しく、ダウンロード待ち時間の大きなボトルネックとなっています。
HTTP/2 はこの"数"の問題を解決できる強力な武器です。
折角クオリティの高いゲームを作ったのにダウンロード待ち時間を我慢できずにゲームプレイ前に離脱されてしまった、というのはユーザにも開発者にも不幸な出来事です。
ユーザにとっても開発者にとっても幸せな、ダウンロード待ち時間の短いゲームを作ってみませんか?
山田 英伸
2005年に株式会社セガにプログラマとして入社し、アーケード向け社内ライブラリ開発から、家庭用・モバイルを含むマルチプラットフォームミドルウェア開発に従事。現在では、社内向けツール開発や Unity 向け HTTP/2 通信ライブラリの開発など幅広く担当。最近の趣味は、技術同人誌をかくこと。
【登壇歴】
Unite Tokyo 2019 「大量のアセットも怖くない!~HTTP/2による高速な通信の実装例~」
CEDEC 2020 「技術同人作家になろう ~働き方改革時代におけるエンジニアのレベルアップの一例~」
《講演者からのメッセージ》
CPU や GPU の性能を使い切る最適化の話は多く聞く一方で、ネットワークの性能を生かすという話は数少ないように感じます。
ブロードバンドが当たり前の時代になり、ブラウザでページを表示するプロトコルも HTTP/2 に変わり、ネットワークに関しても進化をしています。
現在の技術を使って、プレイヤーの待ち時間を減らす対策を本講演を聞くところから始めませんか?