本セッションはリアルタイムレイトレーシングをエンジンに実装したり利用する際の問題について、Unreal Engine 4 (以下UE4) を用いた開発タイトルの経験を元に解説していきます。
UE4はリアルタイムレイトレーシングをいち早く実装したエンジンであり、ソースコードも公開されているためその実装は非常に良い資料と言えます。
しかし実タイトルで使用すると問題も発生しますし、レイトレーシングAPIの仕様に悩まされることもあります。
そのような問題をUE4ではどのように解決しているか、また解決できていないかを知るのはエンジン開発者にとっても有益な情報となります。
また、API特有の問題はエンジン開発者のみならず、リソースを作成するアーティストにも影響を与えることがあります。
そのような問題とその解決方法についてもご紹介いたします。
講演者プロフィール
古平 敏志
技術系サイト『もんしょの巣穴』管理人。主にDirectX、Unreal Engine 4、Substanceなどの技術情報を発信している。都内ゲーム開発会社を経て現在フリーランス。グラフィクスの低レイヤー周りやパフォーマンス調査などを主に担当。『Unreal Engine 4 マテリアルデザイン入門』の共著者。
《講演者からのメッセージ》
DirectX Ray Tracingの発表からすでに3年が経過し、コンソールゲーム機でもレイトレーシングが使えるようになりました。
しかし各社まだまだ手探り感があり、実装に戸惑っている方もいるのではないでしょうか?
従来のラスタライザによるレンダリングとは視点が少し異なるレイトレーシングAPIは、実際に運用してみないと気づけない問題なども多くあります。
本セッションでは、DXRをいち早く取り入れたUnreal Engine 4の実装を掘り下げながら、エンジンにレイトレーシングAPIを組み込む際に気をつけるべき点やデータ作成の注意点などをお伝えできればと思っています。
これから実装する方、すでに実装しているがまだ運用が本格化していない方などの一助となれれば幸いです。