本セッションでは、格闘ゲームやアクションゲームに欠かせない中国武術の実演と解説を致します。
いくつかの門派の套路を実演し、その特徴やリズムなど要素を解説します。
さらに套路を見ているだけではわからない実戦での用法をお伝えします。
「〇〇拳を再現するのに必要なポイント」がわかります。
そして多くの門派で扱われている歩法と指の形の意味、使い方を紹介します。
後半はワンインチパンチ(発勁)など中国武術の独特な技がどのような技なのか、
どのように力が伝達されているか実演を交え解説いたします。
徒手格闘だけでなく剣、棒など武器の実演も行います。
アニメーション制作の話しは少なめで、アニメーターのアイデアの引き出しを
増やす「動き」の紹介が中心となります。
中国武術のアニメーションを制作した方は一度は思ったことがある疑問
「なんでそういう動きをするの?」の答えをお伝えします。
中国語の読み方も紹介しますので、今後中国武術を調べるきっかけにしてください。
中国武術の動き、用法を理解し今後のアニメーション制作に役立てましょう!
また本セッション後のイタラクティブセッションでは、より間近で中国武術の
デモンストレーションが観察でき、より深く学ぶことが出来ます。
講演者プロフィール
元梅 幸司
テクモ株式会社を経て株式会社バンダイナムコスタジオに在籍。
インゲームのアニメーション制作を中心に、イベントデモ制作、
モーションキャプチャーのディレクション、アクターなど
キャラクターアニメーションに関連した業務に就く。
過去に中国武術を扱うキャラクターアニメーションを制作。()内は参考にした中国武術。
・デッドオアアライブ2~3シリーズ(太極拳、蛇拳、截拳道、心意六合拳、劈掛拳、酔八仙拳)
・鉄拳5~鉄拳タッグ2(心意六合拳、八卦掌、劈掛拳、八極拳、截拳道、酔拳、各種中国武術)
・ソウルキャリバー4(剣術)
・ゴッドイーター2シリーズ、CODEVEIN、NINJA GAIDEN(棒術)
講演
CEDEC2013「身体の動きと原理から知る、闘うインゲームアニメーションの中身」
CEDEC2015「身体の動きと原理から知る、闘うインゲームアニメーションの中身2」
CEDEC2015「もっと身体の動きと原理を知る道場」(インタラクティブセッション)
《講演者からのメッセージ》
本講演はアニメーター飲み会での出会いが発端です。
中国武術の日本強化選手だった小山さんが参加され、
多くのアニメーターが囲む中、突如お店の前で中国武術講座が始まりました。
武術の力の流れなどを体感し、とても衝撃的なものでした。
今も資料を制作しながら武の術(すべ)に感心している毎日です。
あの時の興奮をCEDECで再現し、アニメーターのアイデアの引き出しを増やしたいと思います!
小山 雅晃
小学校時代から北京、上海で武術を学び、中国現地の高校にて
専門武術家(李連傑を指導した呉彬氏)から日本強化選手として指導を受ける。
その後2005年に北京体育大学伝統民族体育学武術科本科に入学、2009年に同卒業。
現在スクウェア・エニックスにてVFXエフェクター兼、時にモーションアクターとして在職中。
《講演者からのメッセージ》
全ての出来事はどうしてそうなるかという物語の連続です!
色んなものに興味をもって、アニメーションの技術の足しにしていただければと思います!
山本 智人
グラフィック アーティストとして、モーションだけでなくモデリング・エフェクト・UIなど
オールラウンドのグラフィック制作を経験のち、テクニカルアーティストに転身。
現在は株式会社クリーク・アンド・リバー社 3Dクリエイティブスタジオにて
アーティストのDCCToolサポートや制作パイプラインの整備、
特にモーション周りのサポートやリガーとして各プロジェクトに従事
《講演者からのメッセージ》
当講演のきっかけは、過去CEDECで行われたモーション ラウンドテーブルで知り合った仲間たちとの交流の中で得られたものです。
小山さんや元梅さんとの交流の中で得られた知見・経験は大変興味深く、興奮に満ち溢れていたものでした。
この感動を、たくさんの方々と広く共有したいと願って、今回CEDECへの登壇に協力させていただきました。
映画などでよくみる、中国拳法の独特な「動き」や「形」…それらに一体どういう意味や理屈があるのか。
それを紐解いてゆくと、きっと予想もしなかった新しい発見があると思います。
アニメーター・モーションアーティストの方以外にも、必見です。