暴れるラグドールを安定させるためのテクニック

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日時:
2018年08月23日(木)13時30分〜13時55分
形式: ショートセッション
受講スキル:
ラグドールを安定動作させることに苦労したことのあるアーティスト、デザイナ、エンジニアの方々。
受講者が得られるであろう知見:
不安定な挙動が引き起こされる原因を理解し、より安定したラグドールを構築するための手法。
セッションの内容

ゲームで使われるような物理エンジンは現実世界の物理挙動の再現を目指しているわけではなく、高速応答性が求められるため、演算精度を下げざるを得ないのが現状です。結果、非常に狭いパラメータの範囲内でのみ安定して動作します。
剛体同士を関節で接続するラグドールのようなマルチボディ構造を登場させようとすると、理解しにくい物理属性パラメータを調整する必要がありますが、これらのパラメータは相互に関連しあい、現実的な値がかならずしも安定するわけでもなく、直観的な調整はあまり役に立ちません。
このような不安定さを解消するために様々なテクニックが考案されていますが、まとまった資料等はなく、個人レベルの知見に留まっています。そこで本セッションでは、このような物理構造を安定させるための手法について実践的なテクニックを公開します。


講演資料

  • CEDiL_1945_0.pdf

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講演者プロフィール

松生 裕史

松生 裕史
所属 : ソニー・インタラクティブエンタテインメント
部署 : プラットフォームソフトウェア設計部門 ベースシステム開発部 6課
役職 : チーフ

主に、内制物理シミュレーションライブラリの開発とゲーム制作のサポート業務に従事しています。
CEDEC 2009「ゲーム物理の扱い方」
CEDEC 2013「コリジョン抜けを防ぐための衝突検出テクニック」
CEDEC 2014「PlayStation®4のGPGPUを活用した剛体シミュレーション最適化事例」
CEDEC 2015「GPGPUを活用した剛体シミュレーション最適化事例」
CEDEC 2016「VR空間内で「手」を使ったインタラクションを実現するための方法」
書籍は「Game Physics Pearls」(A K Peters Ltd.)第3章と、「ゲーム制作者のための物理シミュレーション 剛体編」(インプレスジャパン)の執筆を担当しました。

《講演者からのメッセージ》
ラグドールのように複数のパーツが相互に関節で接続された構造の制御は、一筋縄ではいきません。セッションでは簡単な構造からラグドールまで、安定化のための実践的なテクニックをご紹介します。