Nintendo SwitchのHD振動や各種VRハンドコントローラーの登場により振動体験に対する注目度が高まっている中で「誰が触覚をデザインすると良いのか」という問題に対し、サウンドデザイナーが担当するメリットや親和性について紹介します。
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科で触覚を研究する南澤からは、人が触覚を感じる原理とそれを再現するテクノロジーがどのような進化を遂げてきたのか、そしてHaptic Designの必要性の高まりと、エンタテインメントにおける触覚体験をデザインするためのポイントである質感・実感・情感について、Rez infinite Synesthesia Suit等の事例を挙げつつ紹介します。
音や触覚の手軽なデザインを研究する川口からは、サウンド演出が触覚にも応用が効き、記憶を想起させる触覚表現とそのデザインアプローチを紹介します。
講演者プロフィール
川口貴志
ゲーム業界と音楽業界を半分ずつ経験してきた、エンジニア寄りのサウンドデザイナー、ディレクター。1998年よりゲーム会社、ネットベンチャー、音楽制作会社、フリーランスを経て2015年、CRIに入社。ゲームにおける音の演出ノウハウを活かし、主に音響デザインと触覚デザインの研究をしつつ、ミドルウェアのエヴァンジェリストとしてスマートフォンアプリ、VRコンテンツ、配信サービスなど体験の向上に努めている。
過去の講演
CEDEC 2017 : 基礎から応用 3DサウンドAmbisonicでなにができる?
Haptic Design Meetup vol.3 Haptic ×(Entertainment)
《講演者からのメッセージ》
ゲームの触覚体験はとても奥が深いものの、ベースとなる考え方は実はシンプルです。
みんながあっと驚く体験のデザインに、ぜひ挑戦してみてください。きっと楽しいですよ。
南澤 孝太
2010年東京大学大学院情報理工学系研究科システム情報学専攻博士課程修了,博士(情報理工学).同年より慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科にて触覚メディア・身体性メディアの研究を行う.SIGGRAPH Emerging Technologies を中心に最先端のテクノロジーを発表し産学連携のもと社会実装を進める.触感のデザインから社会価値を創造するHaptic Design,テクノロジーを用いて新たなスポーツを創る超人スポーツなどの活動を推進.
KMD Embodied Media Project --- http://embodiedmedia.org/
Haptic Design Project --- http://hapticdesign.org
《講演者からのメッセージ》
触感を軸にユーザの新たな体験をデザインする Haptic Design の世界へようこそ.ぜひみなさんも Haptic Designer の輪に加わってください.