本セッションでは,人狼知能大会の第4回大会を行い,その結果を報告します.本年度は,これまでの大会の部門に加え,「人とのインタラクション」を中心テーマとして,人狼におけるヒューマンエージェントインタラクションの実演をおこなうことで,ゲームエンターテイメント産業への貢献の可能性を議論します.
講演者プロフィール
鳥海不二夫
2004年,東京工業大学大学院理工学研究科機械制御システム工学専攻博士課程修了,同年名古屋大学情報科学研究科助手,2007年同助教,2012年東京大学大学院工学系研究科准教授.エージェントベースシミュレーション,ソーシャルメディア分析,計算社会科学,人工知能技術の社会応用などの研究に従事.情報法制研究所理事.人工知能学会,電子情報通信学会,情報処理学会,日本社会情報学会会員.(博士(工学))
主な著書に「強いAI・弱いAI 研究者に聞く人工知能の実像」「人狼知能 だます・見破る・説得する人工知能」.
《講演者からのメッセージ》
人狼知能大会も第4回を迎え,そのレベルもどんどん上がってきております.
昨年から自然言語部門が始まりましたが,今年はインタラクションの実演として,ついに人狼ロボットがその姿を現すことになっています.ますます目が離せなくなってきた人狼知能にご期待ください.
片上大輔
2002年東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻博士後期課程修了。博士(工学)。同年東京工業大学大学院総合理工学研究科助手。2007年同大学同研究科助教。2010年東京工芸大学工学部コンピュータ応用学科准教授を経て、2017年教授。現在に至る。人工知能、ヒューマンエージェントインタラクションに関する研究に従事し、近年は主に人狼知能、雰囲気工学に関する研究を行っている。ちなみに将棋棋士にも人狼をやっている同じ名前の方がおられるようなのでいつかお会いしたいと思っている。 主な著書に「人狼知能 だます・見破る・説得する人工知能(森北出版)」がある。
《講演者からのメッセージ》
昨年からしゃべり出した人狼知能ですが,将来的には,人間と本気で議論で戦える,説得できる,擬人化した知能の開発につながるとよいなと本気で思っています.
大澤博隆
2009年慶應義塾大学大学院理工学研究科開放環境科学専攻博士課程修了。2009年慶應義塾大学訪問研究員および米国MIT AgeLab特別研究員。2010年JSPS特別研究員PDに採択され、国立情報学研究所へ出向。同年から2011年にかけて、JSTさきがけ専任研究員に従事。2011年より2013年まで、慶應義塾大学理工学部情報工学科助教。2013年より現在まで,筑波大学大学院システム情報系助教。2017年より筑波大学人工知能科学センター研究員。ヒューマンエージェントインタラクション、人工知能の研究に従事。共著に「人とロボットの<間>をデザインする」「人狼知能 だます・見破る・説得する人工知能」。漫画「アイとアイザワ」技術監修。人工知能学会、情報処理学会、日本認知科学会、ACM等会員。博士(工学)。
《講演者からのメッセージ》
相手と会話のやり取りをしながら相手の意図を読み、相手を説得する知能は、人工知能の領域の中で、もっとも再現が難しい社会的知能の分野になります。しかし、プレイヤーのやりたいことを会話から読み取り、かつプレイヤーを説得できるような人工知能ができれば、ビデオゲームは新たな表現手段を手に入れることになります。人狼知能プロジェクトの開催する人狼人工知能のコンテストは第4回を迎えました。本年は前年に引き続き、多数の参加者が集まる「プロトコル部門」、自然言語処理を志すプログラマが集まる「自然言語部門」の両方でコンテストを開催します。
園田 亜斗夢
1993年宮崎県生まれ.
東京大学工学部卒業.
現在,東京大学大学院工学系研究科修士課程在籍.
研究分野は計算社会科学.オンラインメディアに関する研究に取り組んでいる.
また,ビジネスハブ社でエンジニアとして実際のメディア設立に挑戦中.
趣味はヨット.将来は,AIが操縦するヨットで世界一周するのが夢.
《講演者からのメッセージ》
鉄腕アトムくらい賢くて強い人狼エージェントを作りましょう.
どうぞよろしくお願いします.
大槻恭士
略歴:東北大学博士課程後期3年の課程修了.博士(工学).現在山形大学学術研究院准教授.
著書:「人狼知能で学ぶAIプログラミング」(マイナビ出版).
過去の講演:昨年の第3回人狼知能大会.
《講演者からのメッセージ》
「人狼知能」といえばAIプレイヤーが真っ先に思い浮かびますが,実はそれ以外にもプラットフォーム・UI・ゲームデザインなど,まだまだやらなければならないことが山積みの宝の山です.受講されて興味をお持ちになりましたら,是非人狼知能コミュニティに参加して,一緒に宝探しをしましょう.
稲葉 通将
平成24年 名古屋大学大学院情報科学研究科博士後期課程修了,同年広島市立大学大学院情報科学研究科助教,現在に至る.対話システム,対話処理に関する研究に従事.(博士(情報科学)).情報処理学会,人工知能学会,言語処理学会各会員.
《講演者からのメッセージ》
我々が人狼をプレイする際は,「いかに上手に説得するか」ということが重要ですが,人狼知能を作る際には「いかに上手に説得されるか」も重要な要素になってきます.自然言語部門では,そんなところも皆様と一緒に考えていけたらとおもいます.
狩野 芳伸
経歴:
静岡大学情報学部行動情報学科准教授。博士(情報理工学)。
2001年東京大学理学部物理学科卒業、2007年同大学院情報理工学系研究科博士課程単位取得退学。同特任研究員、科学技術振興機構さきがけ研究者などを経て、2014年より現職。試験問題の自動解答(大学入試:ロボットは東大に入れるか、司法試験)、学術論文のテキストマイニング、電子カルテの処理、自動診断支援、キャッチコピーなどの文生成、人狼知能プロジェクトの自然言語部門など対話システムの構築、といった自然言語処理の研究を、人間により近いシステムという観点から進めている。
著書:「人狼知能で学ぶAIプログラミング~欺瞞・推理・会話で不完全情報ゲームを戦う人工知能の作り方」(マイナビ出版)、「人狼知能 だます・見破る・説得する人工知能」(森北出版)
《講演者からのメッセージ》
自然言語部門にて、さらに進化した対戦をお見せできればと思います。
渡邉 哲意
宝塚大学 東京メディア芸術学部 教授 博士(芸術学)
視覚情報メディアを中心にメディアコンテンツとしての映像・空間・グラフィック・キャラクターデザインの制作研究を行なっている。
<主な制作>
宝塚大学×(株)水鳥工業 産学協同事業「商品擬人化メディア展開プロジェクト(水鳥ここん 他)」(2016)
新宿区健康部健康普及啓発キャラクター「ケンゾウ・こころ・菜々」(2017)
伊東市商工会「トリックアートde賑わい創出事業(湯の花七福神)」(2018)
《講演者からのメッセージ》
人狼知能にふさわしいキャラクターとは何かを一緒に考えましょう。
箕輪 峻
静岡大学大学院 総合科学技術研究科 情報学専攻 狩野研究室所属 修士2年
著書:「人狼知能で学ぶAIプログラミング~欺瞞・推理・会話で不完全情報ゲームを戦う人工知能の作り方」(マイナビ出版)
研究分野は自然言語処理、現在は自然言語人狼エージェントにおける発話理解に関する研究に取り組んでいる。
将来は自然言語処理によって創作活動を支援するシステムを作るのが目標。
《講演者からのメッセージ》
より進化した自然言語部門の対戦を通して、人間にとって自然なコミュニケーションがどのようなものか一緒に考えていければと思います。
石川雄仁
宝塚大学東京 コンテンツ学部 ゲームコース卒。
宝塚大学大学院 メディア・造形研究科 修了。
学部卒業後ゲーム会社にてゲームデザイナー、ディレクターを行う。
その後、大学院進学し、現在デジタルクリエイティブの普及についての研究を行う。
現在、地域イベントデザインなどの活動を行いつつ、研究を続けている。
『小児がん患児に対するインフォームドコンセントアプリの制作』日本デザイン学会61回春季研究発表大会
『デジタルクリエイティブの地域社会への普及についての試み』環境芸術学会第18回大会
《講演者からのメッセージ》
人狼知能を視覚的に、より多くの人が楽しむにはどうすればいいか考えています。