本セッションでは、カメラに写ったカードゲームに使われるカードを識別するニューラルネットワーク作成のノウハウについて説明します。
ニューラルネットワークを使った画像認識は既に一般的な技術として使用されていますが、
カードゲームで使われるカードの識別はユニークな課題となります。
・類似したカードを含む、8000種類以上の画像識別。
・カードスリーブ等の存在により、同じカードでも見え方が変わる問題。
今回、実際に遊ばれているカードゲームのカードを認識するニューラルネットワークを作成した事例を紹介し、効果的であった技術をお伝えします。
ネットワーク構造についてではなく、主にトレーニング手法について扱います。
講演者プロフィール
岩倉 宏介
1995年、KONAMI 入社。
主な参加タイトル:
『悪魔城ドラキュラX-月下の夜想曲-』(PS) / 敵キャラクターAI
『OZ』 (PS2) / 敵キャラクターAI
『SILENT HILL 4 THE ROOM』 (PS2) / エンジンプログラム、NPC AI
『幻想水滸伝ティアクライス』 (DS) / エンジンプログラム
現在は、ゲーム制作に関する技術の研究開発に従事。
《講演者からのメッセージ》
カードの画像認識という事例を通じて、機械学習モデル構築のノウハウを共有できればと思います。
木原 直也
1997年 KONAMI 入社。
・各種ゲーム作成(音楽ゲーム、ベンダー機、メダル機等)
・各種基板立ち上げ
・各種基板ライブラリ作成(システム・描画・サウンド・ハード制御等)
・組み込みWindows導入・運用
・e-AMUSEMENTサーバーサイド
・e-AMUSEMENT CLOUD関連
・遊戯王OCGのカード画像検出・識別
《講演者からのメッセージ》
より良い学習データを集めることは、機械学習ではとても重要です。
とはいえ、良いデータセットをつくるのは、なかなか難しいです。
遊戯王のカード識別では、新たに販売されるカードの増加で定期的に学習セットを更新する必要があります。
追加されたカードのCGから学習画像を生成できるならば、今後の学習画像の更新が楽になるでしょう。
学習データをほぼCGのみで作成したデータセットで、識別する精度を上げていくノウハウが共有できたらと思います。