昨年、私たちは教育事業という小さな事業を立ち上げました。その中のさらに一部、たった4人のメンバーでモブプログラミングを用いたスピーディなシステム開発を通じて、顧客にとって未解決の課題に一緒に取り組む活動を行っています。ここでやってきたことは単に小さな新規事業というだけではなく、長年培ってきた組織や業界のやり方を、根本的に変えてみるトライアルをしています。今回はその話をしたいと思います。
もう一度、小さなチームについて考え直してみましょう。予定通り終わることができるタスクのサイズについて考えてみましょう。これまでチームが出したアウトプットの実績をもとに、その先の計画を動的に見直すことで、もっとも確実な予測を可能にし、そしてもっと改善を考えていく。スクラムは小さなチームでうまくいくメカニズムを抽出し、勝てるチームを一つ一つ作っていくための枠組みです。長期的に安定したチームで信頼を築き、前倒しでアウトプットを出していきます。そのカギになるのが、モブプログラミングです。一つのディスプレイ、一つのコンピュータ、一つのキーボード。全員で目標をとらえ、一つ一つクリアしていきます。そして、複数のチームが有機的に結合する必要があります。全体としてのビジョンを定義し、求められる成果を定義し、検証方法を考え、ダッシュボードを整備する。組織全体として、アジャイルでありながら、着実な成果が必要です。常に新しいものを、ユニークで本質的なやり方を探求し、やっていく必要があると考えます。ぜひ一緒に考えてみませんか?
講演者プロフィール
川口 恭伸
楽天株式会社新サービス開発カンパニー所属。教育事業開発担当。アジャイルコーチ。北陸先端科学技術大学院大学修了後、株式会社QUICKにてデータメンテナンス業務の効率化や金融期間向けプロダクト開発に関わる。アギレルゴコンサルティング株式会社を経て、2012 年より現職。スクラムギャザリング東京実行委員。『アジャイルエンタープライズ』監修、『ユーザーストーリーマッピング』『Fearless Change』監訳、『Joy, inc.』、『Software in 30 Days』『How to Change the World』翻訳(共著)。
《講演者からのメッセージ》
大きなプロジェクトや企業に属しておられる方が多いと思いますが、どんな大きな集団でも、その中で小さなチームを組んで仕事をすることは、できるのではないかと思います。本セッションを通じて、兼務のない小さなチームの価値について、もう一度振り返ってみていただければ幸いです。
及部敬雄
2010年頃にアジャイル開発に出会ったことをきっかけに、エンジニアとしての幅が広がり、様々な壁を超えて活動を続けてきました。現在はスタートアップチームのマネジメントに携わっていて、組織・役割などの壁をぶち抜いて、営業・ビジネス・プロセス・プロダクト・チーム・エンジニアリングすべてをワンチームで行うモブワークを毎日しています。「エンジニアだから」「エンタープライズだから」など役割や環境をできない言い訳にするのが大嫌いで、事業を成功させるためならなんでもやります。
モットーは“IT業界に金の雨を降らせる”、推しメンは山本 彩です。
《講演者からのメッセージ》
仲良くしてください!