日本の開発会社で働きたいと考える外国人開発者の数が増えている。正確な調査はないが、各企業とも積極的に外国人開発者を雇用するように数年前より状況は大きく変化してきている。GDCなどの場でも、日本で働くことを希望する開発者のニーズは依然高く、日本のゲーム産業のブランド力は未だ健在ともいえる。
一方で、日本の労働人口は、若年層の減少に伴い、今後とも必ず減っていくことが明らかになっており、日本の開発者の人材不足はより恒常化してくると思われる。そのため、外国人労働者の雇用を避けて通ることができない。
ただ、日本とそれ以外の地域での、労働条件などの違いや、文化差、言語能力の違いがもたらす労働上の摩擦は、決して楽なものではない。外国人労働者を雇用する上で何を注意して、また、どのようにしてつきあっていくことで快適な労働環境を組み立てることができるのだろうか。一方で、どのような点に不満を感じやすいのか。
このセッションでは、今後日本の開発会社の多くが直面するであろう外国人労働者と上手くつきあう方法について議論する。
講演者プロフィール
福島 道宣
フリーのプログラマーとしてファミコン・スーファミ、プレステなどのゲームやサウンドドライバーを開発、1998年大阪にフロア設立。当初は自らメイン PG/DIRとして、3名などのチームで小規模ゲーム開発を行っていたが、パチスロ開発がメジャーになる前に着手しそれを契機に拡大開始、少数精鋭から脱皮し経営を学び組織作りに挑みはじめた。
最近はゲームは特に受託から研究開発、企画営業へスタイルをシフトし、任天堂DS、Wiiや次世代機を開発している。無名のデベロッパーをいかにして大きくするか?と考えたところ、日本全国、また海外へも門戸を開き、東京オフィス、オーストラリア・パースオフィスを開設した。
ベンジャミン・ワード
1980年 オーストラリア・ブリスベン生まれ。2002年クロムスタジオ入社(ブリスベン)
クロムスタジオでの近年の代表作は「Star Wars : The Force Unleashed, PS2」 コンセプトデザイン担当。
2006年株式会社フロア入社(大阪)。次世代機のデザイン、企画開発に携わる。
(モデレータ) 新 清士
1970年生まれ。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲーム会社で営業、企画職を経験後、ゲームジャーナリストに。
ゲーム開発者を対象とした国際NPO、国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)代表。東京大学ゲーム研究プロジェクト共同代表。
他に、立命館大学大学院政策科学研究科講師。デジタルエンタテイメントアカデミー講師。
著書に『「侍」はこうして作られた』(新紀元社)。最近の原稿に「オンラインゲームの歴史・分類」(『2005オンラインゲーム白書』メディアクリエイト)