これまでゲーム/エンタテインメント業界においては,高度な視聴覚情報の活用事例に比べ、触覚については振動など限定されたものしか利用されてこなかった.しかし,iPadなどの情報端末の発展が如実に示すように,触覚情報は新しい情報の入出力チャネルであり,これまでの視聴覚情報に限定されない,様々な形での有機的なコミュニケーションの形態を拓く可能性を持つ.
セッション前半(14:50-15:35 担当:安藤)では,実際の触覚インタフェースをとりあげつつ,その性質や設計論,使用事例について詳細な研究紹介をするとともに、エンタテインメントとしての触覚情報が持つ可能性について議論する.
セッション後半(15:45-16:30 担当:嵯峨)では,触覚インタフェースについての概論を示しつつ,近年の触覚研究の最新動向を概観し,触覚インタフェースの双方向性について議論する.
その後(16:40-17:10),聴衆を交えた対談を通じて触覚とエンタテインメントの関係について議論する.
本セッションは2コマ開催となります。
講演者プロフィール
安藤英由樹
1974年⽣まれ。研究者。⼤阪⼤学⼤学院情報科学研究科バイオ情報⼯学専攻准教授。博⼠(情報理 ⼯学)。人間情報工学を専門とし、錯覚を⽤いた⾮⾔語的インタフェース、バーチャル・リアリティなどを研究するかたわら、佐藤雅彦との共作で「“これも自分と認めざるをえない”展」(21_21 DESIGN SIGHT、東京)に参加するなど、専門領域を題材とした作品制作にも意欲的に取り組む。2008年⽂化庁メディア芸術祭アート部⾨優秀賞、Prix Ars Electronica 2009ならびに2011 Interactive Art部⾨でHonorary Mention受賞。
http://www-hiel.ist.osaka-u.ac.jp/~hide/
《講師からのメッセージ》
嵯峨智
2000年 セコムIS研究所 研究員,2007年東京大学大学院情報理工学系研究科システム情報学専攻博士後期課程修了.2007年東北大学大学院工学研究科バイオロボティクス専攻助教,2008年東北大学大学院情報科学研究科システム情報学専攻助教,現在に至る.力覚・触覚をはじめとするヒューマンインタフェース,バーチャルリアリティなどの研究に従事.博士(情報理工学).2006年 日本VR学会学術奨励賞,2008年 Literati Network Awards for Excellence 2008 にて Outstanding Paper Award その他各賞受賞. http://www.fractal.is.tohoku.ac.jp/