MITメディアラボの「独創・協創・競創」の文化風土の中から生まれたのが、タンジブル・ビットです。デジタル情報に物理的 な実体を与えることで、人々が生涯を通じ物質的な世界と関わりあうことで育んできた豊かな感覚と能力を活かし、人間、デジタル情報、そして物理世界をシー ムレスにつなぐインターフェイスを実現することが、タンジブル・ビットのゴールです。本講演では、ディジタル情報を直接的に実感・操作することを可能にす るタンジブル・ビットのコンセプトと、タンジブルメディアグループがデザインした多様なインターフェイス、アプリケーション例をご紹介し、ユビキタス GUI を越える未来を提案いたします。さらに MIT をとリまく「競創」の風土を生き抜くための哲学につき、お話させていただきます。
参考ウェブサイト:http://tangible.media.mit.edu/
参考文献:電子情報通信学会誌 2009年5月号に寄稿した記事「米国 MIT の独創・協創・競創の風土」
http://www.ieice.org/jpn/books/kaishikiji/2009/2009052.pdf
講演者プロフィール
石井 裕
1956年東京生まれ。1978年に北海道大学工学部卒業、1980年に同大学院情報工学専攻修士課程修了、日本電信電話公社(現NTT)入社。ヒューマンインターフェースとリモートコラボレーション技術の研究に従事。1992年に北大から博士号取得。1994年にアトランタでヘッドハンティングされ、1995年秋にMITメディアラボ準教授に就任、直接操作・感知可能なタンジブルユーザインタフェースの研究をスタートする。現在MITメディアラボ副所長、TTT(Things That Think)コンソシーム・コディレクター、タンジブルメディアグループ・ディレクター、工学博士。2001年にMITからテニュア(終身在職権)を授与され、2006年にACM SIGCHIよりCHI Academyを受賞。http://tangible.media.mit.edu/