立命館大学上村研究室では、テレビゲームというメディアの遊戯性を明らかにすることを目的に、「ゲームプレイ」の可視化と記録のための方法論を研究しています。その一環として、本セッションではプレイヤーのコントローラ操作履歴の記録と分析を行い、「ゲームとはなにか」という広大な問題にアプローチしたいと考えています。
古来の様々な遊びは多用な要素を持つ複雑で捉えがたいものですが、それらと比較するとテレビゲームは入り口(コントローラ操作)と出口(モニタ上のゲーム映像)が明確であるという点に特徴があります。したがってこの両者を記録することによって、「ゲームプレイ」上の全ての情報を保存し、客観的なデータを蓄積することが可能であると仮定することができるのではないでしょうか。そのようなテレビゲームの特性に着目し、本研究室では「ゲームプレイ」を記録するためのシステムを試作し、実験を重ねています。
今回の発表では、「ゲームプレイ」記録システムに関する概要の報告に加え、ゲーム映像とコントローラ操作に関するデータの分析を通じて、テレビゲームをプレイヤーがどのように遊んでいるかを考えていきたいと思います。
講演者プロフィール
上村 雅之
立命館大学大学院先端総合学術研究科教授、任天堂アドバイザー。千葉工業大学卒。早川電機工業(株)(現シャープ株式会社)を経て、1971年に任天堂株式会社入社。ファミリーコンピュータやディスクシステム、スーパーファミコン等の開発責任者を歴任。現在は「遊びの歴史」や「遊びの映像化」に関する研究を進めている。
《講師からのメッセージ》
遊びをまじめに考えている人達に是非参加いただければと思います
尾鼻 崇
博士(学術)。専門は映像音楽研究/ビデオゲーム研究。立命館大学大学院先端総合学術研究科博士後期課程修了。日本学術振興会特別研究員を経て、現在は文部科学省グローバルCOEプログラム「日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点」(立命館大学)研究員。立命館大学大学院、立命館大学映像学部非常勤講師。