ゲーム条例とコロナを越えて、街にゲームのお祭りが生まれた話
受講スキル
・コミュニティーを運営したことがある ・他業種/非専門家と企画をまとめたことがある
受講者が得られるであろう知見
①「反対」ではなく「返事」を出す:ネガティブな施策には反対運動より、その施策が突きつけている本当の課題に自分たちなりの答えを示すほうが街の支持を得やすい。SXGは条例歓迎派の親世代にも届いた。 ②動機の違いを「乗りやすい船」に変える:50代以上が応援した理由は「ゲーム」でなく「商店街に火を戻すこと」。別動機の人も乗れる船を会場・形式で設計する。専門職の肩書も両側に橋を架ける翻訳装置になる。 ③既存コミュニティの「両輪化」:制作好きと場作り好き、目的の異なる2コミュニティを重ねれば、「作り手」と「迎え手」が同じ拠点で育つ。 ④子どもを主役・担い手にする:「この街で一番強い小学生」のように、家族や友人が駆けつけたくなる動機を祭に組み込む。1人の子が4人の大人を連れてくるのが地域祭のスケール則。 ⑤土地の作法に礼を尽くし、自分たちのレイヤーを足す:100年続く祭は伝統への敬意と創造の二段構えで生まれる。獅子舞・ゲーミングだんじり・お遍路の納札を借りたスポンサー制度、卒業生の「お菓子投げ」のような思い出の楔を積む。それがゲームのディストピアを街のユートピアに変える方法。
セッションの内容
2020年に香川県で施行された「ネット・ゲーム依存症対策条例」と、世界規模のコロナ禍。私たちはこの状況に「条例反対」と叫ぶのではなく、「ゲームで困っている子と親に、街は何ができるのか」を問い直すことから始めました。その答えとして街の人たちと立ち上げたのが、商店街ゲームフェス「SANUKI X GAME(SXG)」です。本LTでは、SXGが5年で来場者2,000名規模の「お祭り」へ成長した生存戦略を、4つの視点で共有します。①条例を歓迎した親世代や、コロナで街の火が消えたことに心を痛めていた50代の声に正面から向き合い、ゲームを地域課題解決の手段へ変換したこと。②ゲーム制作コミュニティとゲストハウスコミュニティ、コンテンツ制作好きと場作り好きの両輪が回って結実したこと。③地元の子どもが参加しない祭りは祭りではないという前提から、小学校PTAと連携し「街で一番強い小学生」を決める大会や卒業生による「お菓子投げ」など、街に思い出の楔を打つ装置を毎年積み重ねていること。④土地の祭の作法に礼を尽くしたうえで、伝統と技術を融合した「ゲーミングだんじり」やお遍路の納札を借りたスポンサー制度など、自分たちのレイヤーを足してきたこと。ゲームのディストピアと思われた地方から生まれた、ゲームと街のユートピアの物語を5分で駆け抜けます。
講演資料
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講演者プロフィール
プロフィール
香川県の精神科医。2018年に香川のゲーム開発コミュニティ「讃岐GameN」を立ち上げ、2023年に法人化。小中学生から社会人までを世代横断でつなぎ、「うどんプッシャー」「うどんGO」など地元×ゲームの企画を多数推進。2021年には香川ゲーム条例騒動を契機に、「香川がゲームを取り戻す」を合言葉とする地域ゲーム祭「SANUKI X GAME(通称SXG)」を発起。毎年11月、高松中央商店街に2,000〜3,000人を集める「100年続く新しい祭り」として6年目を迎える。ゲームを軸に、世代を超えたクリエイターの縦の繋がりと、街とクリエイターの横の繋がりを紡ぐ。
《講演者からのメッセージ》
「あったなぁ、そんな話」のあかるい後日談です。
共同研究・開発者
𥱋瀨 洋平(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン株式会社 シニア・アドボケイト)
小野 憲史(東京国際工科専門職大学)
大舘 隆司(東京情報デザイン専門職大学 准教授)
馬場 保仁(株式会社ファリアー)