「AIを導入した」という企業は増えているが、デモ環境で動いたAgentが本番のゲーム運営に定着しているケースはまだ少ないです。個人がAIツールを使う段階から、組織がAgent Teamを生産環境で動かす段階へ——この移行には、多くの企業が見落としている前提条件があります。
本セッションでは、新キャラクターのリリース直後に継続率が下落するという、ゲーム運営の典型的な意思決定シナリオを起点に議論を展開します。分析チーム・運営チーム・コミュニティチーム・開発チームが同時に動くこの状況で、Agent Teamが当日中に結論を出すためには何が必要でしょうか。
答えは三つの前提に分解できます。第一に、社内の指標定義・業務SOP・過去の意思決定履歴を構造化した知識基盤。 Agentが「この会社の言葉」で判断するために不可欠な土台です。第二に、信頼できるデータ体系。 スキーマの一貫性と品質が担保されていなければ、どれだけ高性能なAgentも誤った結論を出します。第三に、既存のワークフローへの完全な組み込み。 Agentが新たなツールとして孤立するのではなく、チームの日常業務の中に自然に溶け込む設計が求められます。
ThinkingAIの共同創業者と日本法人代表が、それぞれの技術的実装と現場導入の実態を語ります。
講演者プロフィール
陳琦
ThinkingAI 共同創業者
ゲームデータ活用 × AIエージェント領域のエキスパート
2015年にThinkingAIを共同創業。初期プロダクト設計、カスタマーサクセス体制の構築、グローバルチームのマネジメントを牽引。
ゲーム業界向けデータ・AIサービスの専門企業として、世界20カ国以上のクライアントに対するソリューション提供を主導。Krafton、CenturyGame、Habby、VNGをはじめとするグローバルトップゲーム企業との取引実績を持つ。
《講演者からのメッセージ》
AIツールを使っている会社は増えましたが、「Agent を業務の本番環境で動かせている」ゲーム会社はまだほとんどありません。本セッションでは、デモで終わらない Agent 導入の実践知──データ接続・権限管理・知識資産化・コスト可視化という4つの本番化の壁と、それを乗り越えるための具体的な設計アプローチを共有します。分析・運営・技術・管理職のそれぞれが、明日から自社の Agent 戦略を考えるための視点を持ち帰っていただけます。
谷 哲也
Thinking AI 日本カントリーマネージャー
AIエージェントの活用と、組織全体のAX(AI Transformation)の実装を最前線で推進。
キャリアを通じて一貫して、大手企業の事業・組織変革を、戦略だけでなく現場で動かす立場で手がけてきた。博報堂では日本・中国市場における大手日本企業のDXを支援し、中国最大手の国営広告会社とのJVで日系企業の事業変革を牽引。
その後クロスボーダースタートアップのCSOとして、サイロ化した属性・関心・行動データを統合して一貫した顧客理解の基盤を構築し、それをプロダクト化・収益化する新規事業の立ち上げ等を行う。
日中二つの巨大市場を実務で渡り歩いた経験をもとに、AIエージェントが組織の働き方をどう変えるかを、理想論ではなく実装の視点で語る。上海CEIBS MBA、北京大学EMBA修了。
《講演者からのメッセージ》
世界最大のモバイルゲーム市場でトップシェアを誇るThinkingAIが、グローバルで進むAI Agent導入の先進事例を日本の皆さまにご紹介します。デモで動いたAgentを、いかに本番のゲーム運営へ根づかせるか——その勘所を、現場の実例とともにお話しします。


