本セッションでは、CG分野、特にリアルタイムレンダリングで広く用いられている、球面調和関数の基礎から応用まで、最新の研究成果について紹介します。
具体的には、球面調和関数の回転手法、球面調和関数の球領域積分と多角形領域積分の解析計算、球光源・多角形光源の球面調和係数の空間的勾配の解析計算、球光源の球面調和係数の2次微分の解析計算、球面調和関数を高速に計算するためのコード生成手法、帯球調和関数や体球調和関数といった球面調和関数の亜種について、SIGGRAPH等の研究論文を交えて紹介します。
講演者プロフィール
岩崎 慶
2004年東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程修了.博士(科学).2023年より現職.『Computer Graphics Gems JP 2012』『質感科学ハンドブック』を分担執筆.物理ベースレンダリング・ライティング分野を専門とし,SIGGRAPH,SIGGRAPH Asia,Eurographics等の国際会議にてTechnical Paperを複数発表.直近ではSIGGRAPH 2025にて,球面調和関数のヘッセ行列計算に関するConference Paperを発表.
《講演者からのメッセージ》
球面調和関数(SH)は入射光分布やBRDFといった球面上の関数をコンパクトに表現できるため,リアルタイムレンダリングの基盤として長く使われてきた技術です.
近年は微分可能レンダリングや3D Gaussian Splattingといった新潮流の中で再び注目を集めています.
本講演では,SHの「回転」「積分」「勾配計算」という三つの基本演算に焦点を当て,古典的手法から最新研究までを整理してご紹介します.実装上の勘所や数値的な注意点も交え,明日からの開発・研究に活かせる知見を持ち帰っていただける内容を目指します.


