今では、一般のゲームファンも「理論性能値が何テラFLOPS」とか「製造プロセスは●ナノメートル」という専門用語を操るが、2026年以降、ゲーム機などに搭載される高性能プロセッサを製造するために活用される先端プロセスノードは、これまでのように安易に活用できなくなってきた。その理由もセッション内で解説する。(なお、昨今のメモリークライシスとは無関係)
2020年発売のPS5のメインSoCの製造プロセスノードは7nmだった。2024年発売のPS5 Proが5nm。
2022年発売のGeForce RTX 40シリーズは5nm、2025年発売のGeForce RTX 50シリーズは4nmだ。
しかし、2023年発売のアップルのMac/iPad用のM3プロセッサは3nmを採用できた。
2020年代になって、なぜ、全ての機器メーカーが最先端プロセスを選択せず、あえて敬遠、躊躇する機器メーカーが出てきたのか。
ここには、3nmの先で待ち構えている「3つの谷」の存在が大きな理由になっており、これが「3nmを採用できた」「3nmの採用を避けた」の明暗を分けた。
半導体業界では「当たり前」の、この事態を多くのゲームファンやゲーム開発者は知らないのではないだろうか。
我々は今、ちょうど、3つの谷の最初の谷、3nmプロセスの谷を眼前に迎えている。
3nmプロセス以降は、同面積のチップの製造しようとした場合の製造コストは4nmプロセス以前の2倍から3倍になるとされる。
そして、この先にはさらに手強い、「2nm」と「1nm」の2つの谷が待ち構えている。
PS6などの次世代ゲーム機は必然的に3nmの谷を渡らざるをえないが、この時どんな苦難が降り掛かるのか。
本セッションでは、この「3つの谷」について解説します。
講演者プロフィール
西川 善司
1980年代からプログラマーとして活動。
2000年代からはコンピュータ関連技術、半導体技術、ゲーム開発関連技術、映像パネル関連技術、自動車技術などの解説記事を多数手掛ける。
《講演者からのメッセージ》
いつまでも安くて高性能だと思うなゲーム機とGPU!?
テラフロップス:TFLOPSで表されるゲーム機やGPUの理論性能値の向上はこれからも続いていきます。
同時に、半導体製造プロセス技術が進み、微細化も進んでいきます。
しかし、ゲーム機やGPUの価格上昇と、その消費電力の増加も、継続してしまいます。
その理由をやや大げさに話します。
なお、本セッションは、昨今のメモリー価格高騰などの一件とは全く無関係な内容となっております。


