本講演では、講演者がクエストデザイナーとして開発に参加した、The Alters(11 bit studios)を題材に、ストーリー構造とその実装プロセス、ならびに開発中に直面した課題と解決策を、具体例を交えて解説します。
The Alters は、「Subnautica」のような探索・収集・拠点構築のゲームサイクルを持ちながら、サバイバルゲームとしては珍しく、ストーリーテリングを主軸に据えた体験を特徴としています。
主人公ヤン・ドルスキは、「もしも別の人生を選んでいたら」という分岐を体現するクローン〈オルター〉たちと協力し、孤独な惑星からの脱出を目指します。
本作のストーリーは、惑星脱出を軸とするメインストーリー、オルターたち個々の内面を描くサイドストーリー、突発的に発生するエマージェントストーリーで構成されています。これらは常に複数が並列進行し、相互に干渉する設計となっており、自然で即応的な体験を生み出す一方、非常に複雑な制御を必要とします。
本講演では、この複数ストーリーを破綻なく制御する仕組みに焦点を当てて解説します。
講演者プロフィール
斎藤 成紀
ARTDINK, Square Enix を経て、ポーランドのゲームシーン・カルチャーに興味を持って渡航、Flying Wild Hogのち現在はシニアデザイナーとして11bit Studiosに所属しています。
気づけば日本で7年、ポーランドで7年、ゲームに携わっています。いい節目と思ってCEDECに応募しました。
主にクエストデザイン、レベルデザイン領域を中心に、リードデザイナーを担当することもあります。
関わったタイトルはポーランド時代にはAltersやEvil West、日本時代には Kingdom Hearts Ⅲやアクセルワールド VS ソードワールドオンラインなど。
専らUnreal Engineを扱います。
以前Automatonの「ゲームクリエイター斎藤のポーランド滞在記」というコラムで、ポーランドのゲーム事情について連載していたことがあります。
《講演者からのメッセージ》
ポーランドも長くなってきて、日本時代の記憶もいい感じに薄まってきておりますので、色々な方と意見交換して、デザイン論やトレンドなどの情報を更新していけたらいいなと思っております。
Altersについての話でも、ポーランドでの開発の話でも、なんでも気軽にお答えしますので、ぜひ話しかけてください。


