VAT(Vertex Animation Texture)は頂点の変形情報をテクスチャにベイクし、GPUで処理する手法です。大量のアニメーションオブジェクトを効率的に描画でき、群衆表現や破壊エフェクトに有効です。HoudiniにはUnity向けVATアセット出力機能がありますが、実プロジェクトで活用するにはシェーダーのカスタマイズ、アセット参照の解決、導入知識の整備が必要でした。本講演では、当社グラフィックス基盤「SIRIUS」に構築したVAT機能をご紹介します。プロジェクトでのカスタマイズを容易にするHLSLベースのシェーダー整理、インポート自動化により、VATのノウハウがないプロジェクトへの短期間での導入を実現しました。技術を「動くデモ」から「使える資産」へ昇華させるプロセスを共有します。
講演者プロフィール
畳 悠樹
新卒で入社したコンシューマゲーム開発会社で約6年間の開発経験を経て、株式会社サイバーエージェントSGEコア技術本部(コアテク)に入社。
グラフィックスエンジニアとして、主に事業部共通基盤の開発を担うほか、グラフィックスチーム内でのHoudiniおよびAI活用の推進・啓蒙にも取り組んでいる。
CEDEC2024『統合スタイライズドレンダリングシステムの開発について紹介 〜共通利用ができる基盤を目指して〜』登壇
《講演者からのメッセージ》
Houdiniを利用することで手軽にVAT用のアセットを用意できますが、実プロダクトで活用するにはワークフローの整備やシェーダーのカスタマイズが必要になります。導入を検討する際、「自身のプロジェクトで実際に活用できるのか?」という疑問が生じるかと思いますが、検証にはHoudiniとグラフィックスの双方の知識が求められるため、検証のハードルが高いという背景があります。また、当社のゲーム・エンターテイメント事業部は子会社制をとっているため、この検証コストが各子会社で個別に発生してしまいます。この課題を解決するため、私が所属する事業部横断のグラフィックス基盤チームにて、検証およびサポート基盤の開発、プロジェクトへの導入支援を行いました。本講演では実践的な知見を共有いたしますので、皆様の開発にお役立ていただければ幸いです。


