既存のインタラクティブ・ミュージックは、音量遷移(縦の遷移)や再生順遷移(横の遷移)が主流ですが、これらはアセット量の増大や遷移待ち時間の発生といった構造的限界を抱えています。
本講演では、楽曲を「不変の骨格」と「可変の雰囲気」に分離し、同一のMIDIデータから調性の雰囲気(明度・彩度・輝度)をリアルタイムに制御する「第3のアプローチ」を提案します。
独自の研究に基づく音楽理論「7 Color Materials (7CM)」を用い、抽象的な調性感情をプログラム変数として定義。ミドルウェア上で周波数比を動的にリマッピングすることで、楽曲を切り替えることなくシームレスな感情遷移を実現します。
長年のSEや音楽家としてのキャリアを持つ登壇者が、特許出願済の設計思想に基づき、アセット容量に依存しないリアルタイムな「変数による音楽演出」の可能性を、洞窟探索シーンのデモを交えて解説します。
講演者プロフィール
月屑
[システムエンジニア / 音楽理論家 / 音楽家]
SEとして大規模システム開発におけるPMやリーダーを歴任。SEとして培った高度な設計思想と論理的アプローチを、自身の音楽制作および調性研究へと転用している。
音楽家としては数々の楽曲提供活動を行う傍ら、長年にわたり音楽の調性に関する独自の研究を推進。音楽理論を数理的視点から再構築した独自プロジェクト「7 Color Materials (7CM)」を立ち上げ、応用技術を特許出願。また、本理論の実践的なアプリケーション「7CM STE」の研究開発についても推進中。
エンジニアリングによる「ロジック」と、音楽家としての「感性」を融合させ、楽曲の表情をプログラム変数として制御する次世代のインタラクティブ音楽表現の可能性を模索している。
《講演者からのメッセージ》
音楽を聴いていて「この進行、なぜかエモい」という感覚を、『ロジックで自在に制御したい』『ゲームと密に連動させたい』と思ったことはありませんか?
本セッションでは、従来の『音を切り替える』手法ではなく、楽曲の音楽的整合性を保ったまま『楽曲の内部状態を直接書き換える』という第3のアプローチを提案します。
なぜアセット追加なしで、待ち時間ゼロのシームレスな感情遷移が可能なのか。独自の音楽理論をいかにしてエンジニアリングの「変数」へと落とし込んだのか。
5分間という短い時間ですが、その設計思想の核と、驚きの変化をもたらすデモをお見せします。


