2025年を通してコーディングエージェントは多くの企業で活用されるようになりました。
しかし、働き方を大きく変えるツールであるがゆえに、組織全体への普及には多くの壁があります。
特にゲーム開発は Web フロントエンドなどと比較してコーディングエージェントの活用が難しいとされてきました。
そのような状況の中、私たちは約1年足らずで「エンジニア全員がコーディングエージェントを当たり前に使い、日々の開発スタイルが大きく変わった状態」を作り上げることができました。
本セッションでは、数百人規模の組織でコーディングエージェントを浸透させるために何を行い、何を意識したかをお話しします。
2025年5月に生成AI室を設立し、全職種向けの勉強会開催、社内ツール連携のためのMCP内製、AIツールのホワイトリスト管理などを行いました。
しかし、勉強会だけでは現場への浸透に限界があり、熱意のある人がいるチームのみが進み、それ以外は停滞するという課題に直面しました。
また、普及度を定量的に測定できず、施策の効果検証が困難でした。
この反省を踏まえ、2025年9月に方針を転換しました。
各プロジェクトにAI推進の代表者を配置し、現場に近い場所から声を上げる体制を構築。「コーディングエージェント活用レベル」という独自指標を定義し、毎月のアンケートで普及度を計測できるようにしました。
また、推進対象をエンジニア職に絞ることで、より発展的な内容を扱えるようになりました。
具体的な施策として、毎月の「プロジェクトAI代表会」での知見共有、全雇用形態のエンジニア向けの「AI推進戦略共有会」、1週間集中で取り組む「AI Week」、経営層を巻き込んだ「エバンジェリスト会」などを実施しました。
結果として、コーディングエージェント使用率100%、開発時の起点がAIとの対話である割合98%、複数並列でのエージェント活用率50%という成果を達成しました。
本セッションが、コーディングエージェントの組織浸透に取り組む方々の参考になれば幸いです。
講演者プロフィール
杉浦 優介
2018年にサイバーエージェントに新卒入社。その後、Applibotにて新規および運用プロジェクトのUnityリードエンジニアとして開発に携わる。
普段の開発に加え、アプリボット内のクライアント組織作りもリードし、社内での情報共有や育成、技術資産作りにも携わる。
2025年度からは社内のコーディングエージェント活用推進責任者としても活動し、誰でも円滑に導入ができるような仕組みづくりを実施。
《講演者からのメッセージ》
昨年は、急激にコーディングエージェントが世の中的に普及し始め、各社がそれらを導入し、社内に浸透させるために試行錯誤をする年となりました。
弊社でも、コーディングエージェントが会社内で当たり前に使われるようにさまざまな取り組みを実施しました。
その結果、勉強会のような点でのアプローチでは、会社内の利用に温度差が発生してしまい、うまく浸透しきらないことがわかりました。
そのような状態を解消するために、社内でコーディングエージェントの活用度合いを定量化して測る仕組みや、現場と近い距離で推進するためのさまざまな仕組みづくりを行いました。
本セッションでは、どのような仕組みを作ったのか、そしてそれらがどのような効果を産んだのかという点について共有し、今後各社で推進を担う方々へのご参考になる情報をお伝えしたいと思います。


