近年、教育でもITの利用が叫ばれるようになり、その中でゲームデバイスにも注目が集まっている。
一方、教育関連のゲーム利用については、いろいろな調査研究があるが、具体的な成功例の数はまだ多くはない。
今回は「人が思わずゲームにのめりこみ、やり続けたくなる要素」を体系化した「ゲームニクス」の考え方を教育に活かし、学習効果を上げる方法や今後の研究開発の方向性などについて、「得点力学習DS」シリーズでの実績を持つベネッセと「ゲームニクス」を提唱するサイトウ・アキヒロ立命館大学教授との取り組み、これまでの検証結果から得られた知見を紹介する。
教育とゲーム、勉強と遊び、今まで相反するものと思われてきたが、そこには意外な関連性が。
ゲームを作る側にも、ゲーム性を高める何か重要なヒントがあるはず。
講演者プロフィール
大森 雅之
1999年ベネッセコーポレーション入社。主として中学生対象の電子学習機「ポケットチャレンジ」「ポケットチャレンジV2」シリーズの教材開発や、学習法の研究開発を担当。累計でハード約120万台、ソフト約700万本以上の販売を記録。
2007 年度よりニンテンドーDS向けに開発を開始し、「えいトレ」、「読みトレ」、「得点力学習DS」シリーズ26タイトルの開発ディレクションを担当。「得点力学習DS」シリーズは、学力ソフト分野での2年連続売上No1シリーズ(メディアクリエイト調べ)となる。現在は、立命館大学映像学部とともに、ゲームデバイスの教育利用についての共同研究や新製品の開発を担当している。
《講師からのメッセージ》
ゲーム機を教育の分野に活用することは既に珍しいことではなくなりましたが、活用方法についてはまだ手探りのところが多くあるように思います。今回は、教育の分野でぜひ活用すべき「ゲームの要素」について、これまでの開発の経験や、学術的な研究の成果も交えてご紹介できればと思っています。