本セッションでは、ゲームのアドベンチャーパート（以下、ADVパート）の制作におけるスクリプターの工数削減のために開発した、AIを活用したスクリプト制作支援システムについて紹介します。
これまでADVパートの制作時には、スクリプターが人手で設定しなければならない項目数が多いという課題がありました。特に、モーションや表情は基本的には台詞の数分どれを付与するのが適切かを検討せねばならず、負担が大きいといえます。
そこで、本取り組みではある台詞に対して、複数あるモーション／表情の候補から適切なものをAIによって予測し、予測結果をスクリプトへ反映させる推薦システムを開発しました。さらに、プロダクトで利用しているスクリプトエディタへの導入も実施しました。
本セッションでは、推薦システムの機能の紹介や予測手法の詳細に加えて、開発体制や導入までの流れ等についてお話しします。
講演者プロフィール
髙橋 ともみ
2022年、機械学習エンジニアとして株式会社サイバーエージェントに新卒入社。
AI活用によるゲームの開発効率と品質の向上をミッションに、主として自然言語処理の側面からクリエイターの支援ツールの開発に従事。
《講演者からのメッセージ》
AIによる作業支援は、人間が特に注力したい作業に集中できる時間を増やし、ゲーム制作をより効率的でメリハリのあるものとすることが期待できます。
本セッションでは、AIによる作業支援の一例として、アドベンチャーパートのスクリプト制作を支援するツールの開発・導入事例について紹介します。
本セッションがAI活用にご興味をお持ちの皆さまの一助となれば幸いです。
杉本 翔
2020年、株式会社サイバーエージェントに新卒入社、株式会社GOODROIDに配属。
Unityエンジニアとして複数タイトルの新規開発/運用に従事、「東京リベンジャーズ ぱずりべ！全国制覇への道」ではプロジェクトの立ち上げ時からエンジニアリーダーを担当。
また、並行して機械学習・ディープラーニングを用いたゲーム制作支援の研究開発に従事。
2023年上半期CyberAgentAWARDSベストエンジニア賞ノミネート。
《講演者からのメッセージ》
本セッションでは、自然言語処理を活用して台詞を元に「表情」を推薦する仕組みについて紹介します。
自然言語処理の技術がスクリプト制作にどのように活用されているか、皆さまにお伝えできればと思います。
また、本取り組みはサイバーエージェントのゲーム事業部横断組織としての取り組みとなります。
AI活用に向けたプロジェクトの一例として皆さまの参考になれば幸いです。
黒田 和矢
2020年、サイバーエージェントに新卒入社。
機械学習エンジニアとして、広告業界でテキストや画像を自動生成する研究開発に従事。
並行して、ゲーム業界で機械学習・ディープラーニングを用いたゲーム制作支援の研究開発に従事。
2018年度未踏IT人材発掘・育成事業 スーパークリエータ。
《講演者からのメッセージ》
本セッションでは、台詞に応じたモーションを推薦するための取り組みについて紹介します。
実際に現場で使われているディープラーニングを用いた制作支援の取り組みが、少しでも受講者のみなさんの参考になれば幸いです。
